2021/12/25

仕事は途中で変えるべきか?  武士が学問や武芸に才能を見出した時 仕事は人生とどういう関係にあるか 人生=仕事(義務、辛い)+ 趣味(自分) もっともダメなのはお金で計算 (武田邦彦)



本日の収穫(3807文字) 

今日はですね
まぁ江戸時代の話なんですけど
これは現在 非常に僕らが考えなきゃいけないし
多分このブログを聴いてる方で
仕事について 悩んでる人が多いと思うんですね
これについては新春になったらですね
少し もう少しこうちゃんとしたシリーズみたいなもので
書きたいと思うんですけど
ここはですね この前私ちょっと病院の中で
江戸時代のやつを読んでたらですね
ある武士が 武士っていうのは非常に偉いもんで
武士は刀だけ振り回してるかってそうじゃなくて
全部ですね 学問やるんですねー
大体 中国のものが多いんですけど史記とかですね
五経といったですね そういった中国の古典ですね
それからまぁ上級に行きますと
後漢書とかですね そういったもっと難しい
専門的なものも勉強するわけですね
そういうことを勉強してると
武士の中でも もの凄く才能のある人がですね
非常に学問に秀でてるってことあるわけですよ
もちろんこれはあのー 武芸っていうか剣術もそうでですね
剣術ばかりじゃないんですが
弓とか そういうのもそうなんですが
やればですね それにもの凄い秀でた人がいて
柳生流だとか 小野流だとかですね
そういったものに 長けてるのが出てくるわけですね
その人が 通常武士っていうのは藩士と言いましてですね
なんとか藩に 伊達藩なら伊達藩
前田藩なら前田藩に所属してるわけですね 藩士ですからね
百石とか三百石とか報酬をもらって
ある仕事をしてるわけですので
そのために学問をやったり 武芸やったりするんですね
ところが 学問が非常に優れてて
学問の先生から 
ちょっとこっちで教えてくれないかと言われたりですね
武芸の先生に 君非常に優れてるから
もうこれ 一応藩士を退いて
道場で働いたらどうだと こう言われる時あるわけですね
これは現在でもあるんですね
仕事は途中で変えるべきか という題をつけたんですが
これなかなか 感慨が深いんですよ
自分の生涯の仕事というのを
どう決めるかっていうことですね
私でしたら最初 会社に働いて技術者だったんですよ
これは 私にとってはやっぱりこう目標がありましてね
大学の先生が教えるというのが主力じゃないですか
ところが会社の技術者というのは
技術の開発に成功したら
それが世の中に出ていって 世の中の人が楽をしたり
幸福になったりするわけですね
まぁ典型的には例えば
新幹線というのをやった人がいるわけですが
そういう人が新幹線をやってくれたので
みんなが非常に早く移動できるようになったと
そうなりますからね
私はどっちかっていったら 学者になるよりかは
人にものを教えるという
大学の先生なんかになるよりかは
最終的に物を作ってですね
それでまぁ社会を良くしようという風に考えて
会社の方の技術者になったんですね
随分 良い会社で思う存分やらせてもらえました
何某かの新製品も出したりしてですね
まぁ自分としては別に悪くなかったんですが
私はその四十五歳ぐらいで どうもこれ五十歳過ぎて
会社の技術者でいるっていってもですね
今度はそのー 五十歳過ぎたら
会社の技術者っていうのは 第一線を退きますからね
そうすると新しいものを作るとかいうことからも
出来なくなってしまって
まぁせいぜいお客さんの相手とか
ゴルフとか そんなのになっちゃうので
五十歳で会社を辞めさせていただきましてね
とても良い会社でした 辞めさせていただきまして
それで学問の道の方に行って
後半生は
人に何かを教えるというような立場をとったわけなんですが
この私が読んだものにはですね
その武士はですね 学問所からも
先生にならないかって呼ばれるんですね
なんて言うかっていうと
私は学者になるために学問をやったわけじゃありません
自分の職業としての武士を全うするために
学問をやりました
今度は道場でも 非常に才能があったので
師範代みたいになってくれないかと
いう誘いが来たんですが
これも断って
私は武士になるために剣術をやったわけですと
こういう風に言うわけですね
ですから この人は武士が仕事であって
ちゃんとした武士になるために
学問とか武芸をやったということになるもんですから
それで 才能を見いだされた時に
どうするかっていうと やっぱり
二つ道があると思うんですね
一つは そのまま武士を貫くというのと
じゃー 学問に行こうか武芸に行こうかって
いう風に考えると二つあるわけですね
現在では何か お金がうんともらえるほうなら
そっちに変わるよってのが多いんですけど
それはやっぱり 仕事と人生の自分の関係
自分が人生に
どういうものを考えてるかということとですね
お金は 全く関係ありませんからね
ですから この武士の
この武士はですね 
いや学問って言われた時には 私はやはり
藩士として主君に仕えることを思って
そのために学問をやりました
たまたま良くて
評価していただいたのは ありがたいけども
私はやっぱり武士でいきます
剣術が非常に上手かったんで 三本指とか言われるので
剣術にという風に言われたけども
やはり剣術は武士として
殿様を守るために剣術をやったわけですから
やっぱり私は武士に徹底しますと
いう風に言ったわけですね
それと それから思いの外 学問に能力があれば
武士をやめてそっちに移るっていう
人生もあると思うんですね
ただここで 非常に重要なのは
皆さんが間違って 苦しんでるのはですね
仕事が辛いとか
仕事が自分に合わないと言ってですね
苦しんでるん人いるんですよ 実はね
人生っていうのは そこに式をちょっと書いたんで
ちょっと 式を書いても
声を聞こえてる時しか駄目なんですけど
簡単な式ですから
人生=仕事+趣味なんですよね
この仕事 ここで言ってる仕事ってのは義務なんですよ
これがはっきり分かればね
仕事はね 全然辛くもなければ
自分に合わない仕事なんかないんです
大体仕事が自分にあっちゃいけないんですよ
仕事っていうのはですね 人生における仕事っていうのは
義務なんですよ これは憲法に勤労の義務ってありますけど
まさにその思想でできてるんですね
この憲法はですね 日本国憲法
どうしてかっていうと
我々はご飯を食べる 稲を育てる人がいる
稲を育てる人は
やっぱり夏の暑い時に草取らなきゃいけない
今はそうじゃないかもしれませんが 元々はね
お味噌汁を食べる お味噌汁を作る人がいる
魚を捕る 命をかけて荒れた海に漕ぎ出す漁師がいる
その人達のお陰で我々は 私たちは
ご飯を食べ 味噌汁を食べ 魚を食べれるわけですね
朝起きたら 瞬間湯沸かし器を使う
水洗トイレに行く
冷蔵庫を開ければ何かが入ってる
これみんな そういうものを作ってくれた人ですね
そして外に出れば
真夏の暑い時でも 一生懸命舗装してくれたりなんかした
舗装道路工事士の人たちがやったので
道路 舗装道路を歩ける 電車に乗れる
もちろん たまには病気になったりしたら
病院に行って治療してくれるっていうことになるわけですね
これに対する お返しですから
仕事はね むしろ
辛い方がいいっても言えるんですよ
自分の性に合わないとか
自分に合わない仕事の方が
恩返しになりますよね
まずは人間は恩返ししてから スタートですよ
だって自分がご飯を食べて 舗装道路歩いて
その分 返しもしないで
さあ自分に適したもの 自分に適したものって
いくらなんでも酷いですよ
これはね お母さん
女の人の半分ぐらいは大丈夫なんですね
女の人の生涯未婚率って
20パーセントしかありませんからね
その意味で女の人の80パーセントは
もう自動的に満足しちゃうんですよ
赤ちゃんを育てる 赤ちゃんを育てるっていうのは
ですねー どんなに辛くても
夜中に赤ちゃんが泣き叫んでもですねー
おしめを替えてあげたり しなきゃいけないわけですよ
365日24時間 働くわけですから
これはもう お母さんは1回やればですね
大体 自分の生活する分の義務を果たしたわけですね
ですから 女の人の割合とね
80パーセントの女の人は割合と
これはやりやすいんですけど
男で わがままがいるんですよ
仕事が合わないとか仕事が辛いって
辛い仕事の方が 恩義を返すにはいいんですよ
それが大体 計算によるとね
いろんな計算があるんですけど
九時頃から仕事始めたら その日の大体一時か二時で
普通の人だったら
自分が他人から負っている分の義務は果たせるらしいんですよ
そうするとね 二時頃からは自分の趣味なんです
だから自分に合った仕事とか
生きがいになる仕事ってのは趣味なんですよ
そりゃそうですよね
まれにはね 義務と趣味が一致する人いますよ
辛い仕事が好きだなんて人もいますからね だけどまぁ一応
辛くて義務で仕事をするのと
それから趣味で自分の生きがいとしての
僕もちょっとそうだったですね
僕も技術が好きでしたから
何か生みだすのが好きでしたからね
会社における僕の仕事ってのは仕事だったのかって
最近反省するんですけど
まぁ 中には辛いこともありましたからね
それは良かったかな
それから遊びに行く海に遊びに行く ねー
ゲームをする これも仕事とかわんないですよ
自分が楽しく ためにするのはですね
だからむしろ 義務的な仕事と
自分のやりがいのある仕事という方が離れてて
それで自分のやりがいのある仕事っていうのと
それから 趣味とが似てますね
まぁもっとも駄目なのは もちろんお金で
お金の多い方がいいや なんていくのは
もちろん そりゃそういう
お金本位の人がいても構わないですよ
それからヨーロッパの文化を学んだ人は
何でもかんでもお金ですからね ですけど
多分 不幸な人生になると思います
それはどうしてかっていったら 自分の人生がなかったし
人に対して恩返しもしないわけだから
それはやっぱり 満足で本当に豊かな
良かったなーという人生は 送れないだろうと
私はそう思います

2021年12月25日 (ヒバリクラブ)

#武田邦彦

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