2022/03/27

【炉端の話】地震の予知はできないが、被害を防ぐことはできる (武田邦彦先生)



本日の収穫(3999文字) 

昨日と言ってもですね
この記事がアップされる
記事のタイミングにもよりますが
宮城県沖で地震が起こりましたね
震度は六強ですよ
震度六強の地震で しかも宮城県という
非常に地震が多発する可能性のあるところで
予測はされてないんですよ
この地震が来るから
何とかしろというようなことを
ここ一か月ぐらい聞いた人は
ほとんどいないと思いますね
実際にも発表されておりません
実はね 地震というのは
原理的に予知できないんです
この原理的に予知できないものを予知できるように
言うっていうのはこれ一種の犯罪ですね
じゃあ原理的に予知できないっていうのは
私が言ってもですね
私物理学ですから全然専門なんですけど
地震学者っていうのはなんか
ポンコツって言ったら失礼ですけど
やっぱりお金に目がくらんでるんでしょうね
それほど頭が悪いとはちょっと考えられないんで
地震を予知すればお金が入る
研究費が入るってことで
地震が予知できそうなことを
言うんでしょうけど
地震予知できないのは原理をまずですね
これははっきりしてて
地震っていうのはある程度
地殻に歪みができたら
その歪みと地殻の中の傷の大きさでですね
バーンと割れるんですね
しかしその傷がものすごく詳細に分かってないと
何時割れるかっていうのは分からないです
ましてですね まあ三百年ぐらいたったら
危ないかもしれませんねってことは言えますけども
例えば地震の予知っていうのはですね
三百年後か明日か三百年後か
分からないっていうのは予知は意味がないんですよ
つまり予知をすることによって
普通の場合はですね
そこに旅行に行かないとか
家族が住んでたり自分が住んでたりしたら
今日は気を付けるとか
それからそういう少なくとも
どんなに少なくとも
ここ一か月以内に
起こるぐらいが分かんないとですね
できればここ三四日で起こるっていうんだったら
予知は意味がありますよ
しかし三百年の間に
一回起きるなんて言われてもですね
今三十年とかいうのを言っても
三十年でもちょっとどうかと思うんですよ
そのね ある特定特別な人にとっては
三十年に一遍地震が起こるんだったら
ちょっとあそこら辺に住むのは
やめようかってこんなことあるけども
元々そこに住んでる人とかですね
そこに仕事を持ってる人は
そんなの役に立たないんですよ
極端なこと言えばですね
今アメリカのヨセミテでですね
巨大噴火が一応予想されているんですよ
どういう予想かって言うとですね
七千年以内に一回大きな噴火が起こるって
言われてるんですよ 七千年以内ですよ
そうすると七千年以内に一回
巨大噴火が起こるっていうのは
学問としては別に問題ありません
しかし社会に知らしめるという意味ではですね
何の意味もないですね
七千年以内に一回ですからね
そしたらそのヨセミテに
例えば観光業をやってる人が
それじゃ七千年に一回起こるんだったら
俺はヨセミテの観光業
やめようかとかってことになりませんからね
それからまして旅行者が
ヨセミテに旅行に行こうっていうのを
七千年に一遍どうも噴火があるらしいから
俺は行かないなっていうことも考えられない訳ですよ
だから地震はその原理からいって
いわゆる地震の予知っていうのはできない訳です
これをもう騙し騙してですね
国は何をやってきたかったっていったら
地震の予知ができると言って
税金をその研究者に払ったり
自治体の土木工事屋に
土木をやってもらったりして
そこに自分が天下るという
その手段としてずっと使ってきたわけですね
しかし私はね 地震が予知できないことが
分かっているわけですから
一応その実績も私計算してみたんですね
国が言う地震が来るというのと
実際に来たという地震の間の関係を調べたら
五億分の一しか
当たらないってことが分かったんですよ
つまりこれは当たらないっていうことなんです
もう全然予知はできないって
これが実績ですね
だから原理的にも実績にも
地震は予知できないんですよ
それはそうなんですが
私はそれほど理想論でも非難をして
気持ちをすっきりさせるタイプでもなくて
現実に地震を防ぐ
地震の被害を防ぐためには
どうしたらいいかっていうことも
同時に言ってるんですよね
それで自分の家もそれで実施してるんです
自分自身もそうしてるんですね
どうかって言うとですね
地震はね いつ来るかっていう
英語で言ったら when ですね
いつ いつっていうのは分からないんですよ
どのくらいっていうのは分かるんですよ
どのくらいの規模だっていうのは
やや分かるんですね
かなり精度がよく分かるんですね
例えば私 名古屋の中区に住んで
東京にもあるんですが
名古屋ですと中区に住んでるんですよ
これはね 最大震度が
五もしくは五.五を超えることは
まず日本の地盤の感じからいってないんですよ
それからプレートの地震もですね
名古屋の場合はかなり遠くになるんですね
東海地震とか四国沖地震に比べて
相当遠く距離が遠くなるんで
それほど地震は大きくならないんですよ
あとは内陸型の地震の震源が
少し長野県側と鈴鹿山脈側にありますが
これも大した大規模じゃないんですよ
ということはどういうことかって言うと
名古屋に住んでる限り
震度が五から五.五を防げばですね
まず家の中にまずいた時は
ほとんど被害を受けない
その五から五.五で被害を受けるって
もうもっぱら決まってましてね
それは高いところに
重たいものを置いておくとかですね
高い背の高いタンスが倒れ込んでくるとか
こういうことを防げばいいんですね
震度が六以上ぐらいになりますとね大きな家具が
ぐっと横にずれてくることがあるんですけど
震度が五とか五.五だとそういうことありません
ですから名古屋に住む人は重たいものを
上の方においとかなくていいとか
それから高い背の高いタンスの横で寝ないとか
そういうことをすれば被害は防げるんですよ
もうちょっと大きくなりますとね
ドアが開かなくなるっていうことがあるわけですね
そういう地方つまり
六以上の震度が予想されるところは
必ず逃げる窓とか扉をですね
よく分かっててそれが開かなくなった時どうするか
男がいればね
ドーンとぶつかれば大体開きますが
女性だけの場合どういう力で開けるかってのを
よく考えていく必要があるっていうことですね
だから被害を防ぐことはできるんです
ただ外にいる時にね
外にいる時に被害に遭わないようにするには
あまりガラスのね ガラス張りのビルの近くを
しょっちゅう歩かないっていうことですよ
これしょっちゅうっていうのは
どういうことかっていうとですね
毎日歩いていれば
一年に三百六十五往復すれば
七百回ぐらいの危険があるんですが
たまに通るぐらいだったら一回二回ですから
確率がぐっと減るんですね
だからそのやや地震に弱そうな今で言えば
僕はビルよりかは
ガラスの貼ってあるビルですね あれは危険です
一応ね 大丈夫になってますけど
法律的には あれはまだね
そのガラスがガーンと落ちないかどうかって
よく分かってないんですよ
だからここは気を付けなきゃいけない
それから一番危ないのは
新幹線の箱根を通過するところぐらいですね
その新幹線乗って箱根を通過する時は
南無三っていって起こらないでねって
願うぐらいでいいんじゃないかと思うんですね
ですから特定のところが危ないですから
ですからその地震を予知することは
まずできないっていうことと
地震は地域によって違いますから
そのハザードマップを本当はきちんと見て
それをきちっとと
自治体とか政府は言うべきであって
被害を防ぐ方法を言うべきであってですね
地震の予知なんてできないことを
マスコミとかそういうとこは
言っちゃいけないんですよ
それで防ぎ方を今度しっかりやる
そしたらまず地震の被害はすごく少なくなります
まずそうしておいて
あと地震の予知はこれから
千年から二千年たてば
できるようになるかもしれませんが
そんな風な時間を待ってられませんからね
これはっきりしなきゃいけないと思いますね
今度の宮城の地震もそうですし それから時々
震度六ぐらいの地震が起きるんですよね
私 実は原子力発電所
完全な原子力発電所なら
賛成って言ってるんですけど その理由は
日本は震度六以上の地震が時々来る
震度六以上の地震が来たところで運転してた
原発で故障とか事故が起こらなかった原発は
今のところゼロなんですよ
つまりゼロっていうことは原子力発電所は
震度六以上では耐えられないっていうことなので
私は原子力発電所は少し早いんじゃないか
もう少し耐震設計をきちっとして
それができるようになったら
原子力発電所を起こした方がいいんじゃないかと
言ってるんで 反原発じゃないんですけど
もうそれも この頃嘘八百言いますからね
ここで繰り返すのは
地震は絶対予知できません
今度例えばね 地震が予知できたとしても
それはね 五十回に一回ぐらいですから
五十回に一回の予知がもしできたからといって
それを信じて生活することはできませんので
自分の住んでいるとか職場とか
よく行くところの最大震度をよく調べて
最大震度に応じるようにやるべきですね
それから津波はね 2011年の東日本大震災の
印象が非常に深いので
みんな津波心配していますが 津波はですね
まず第一に地震とは頻度が違います
津波が起こるっていっても
大体は一メートル以下の津波で
東北大震災みたいに
みんなが犠牲になるような津波は来ません
みんなが犠牲になるような津波は
百年に一回かぐらいの頻度なんですが
それはですね
普段からちょっと気使ってればいいんですね
自分は低いところに住んでるのか
低いところで仕事してるのか
じゃあなんか津波が来たら
高台に上がる余地があるのかどうか
これもですね 何時津波が来るかよりか
どうしたら津波の被害を
防ぐことができるかの方に注目したらですね
我々もしくは我々の家族の危険は
大きく減少すると思います
これを本当は専門家っていうのは
これを言うべきなんですよ
我々はですね 地殻の破壊についての
知識があるんですからね
専門家はあるんですよ
物理を知ってる人間は必ず分かる訳ですから
是非そうしてほしいと思います 

2022年3月21日

#武田邦彦 先生

0 件のコメント:

米ロのどちらを信じるか (武田邦彦先生)

本日の収穫(1181文字) では続いては 視聴者の方からの質問ということです 米ロのどちらを信じるかということです 前回はロシアとウクライナについてのご解説 とても勉強になりました 今回はロシアに若干の利があると言いますが 日本もロシアに多少恩を売っておく方が 良いのかもというの...