本日の収穫(3731文字)
ゆとりの教育っていう問題はですね
非常に大きな問題を投げかけたわけですね
もちろん その第一の問題は
ゆとりの教育をやるっていう時はですね
その考え方とか これから日本の教育を変えていくんだと
今までのお仕着せとか 暗記タイプの教育じゃなくてですね
一人一人の個性を生かし 伸ばしていくと
そのためには 教育にゆとりが必要であるということで
1990年代の全般はですね
オールジャパンで ゆとり教育を賛成したと
それが現実にゆとり教育に入ってみたら うまくいかないと
それはうまくいきませんよ
今までとにかく 暗記修身のですね
お仕着せ教育をやってたわけですから
それをその生徒主体にやるっていったってですね
それはうまくいかない
先生方もそれに慣れてない
先生方も今まで文部省がですね 学習指導要綱に沿って
とにかく学習指導要綱に
書いてあることしか教えちゃいけません
受験もですね 今度は学習指導要綱に書いてあったかないか
なんてことが問題になるっていうですね
そういう ガチガチの社会を作ってたわけですから
そこでそのゆとりの教育っていうのを
始めてもですね それはうまくいかない
おまけに世界的な 試験問題のテストみたいのがあって
それで日本の地位が下がってくるっていうことで
もう今度はあっという間にですね
ゆとり教育反対論っていうのが
ものすごく湧いたわけですよ
まぁここはやっぱり
これからの日本っていうのを考える時はですね
実際自分がその ゆとり教育が出てきた時にどう言ったのか
ゆとり教育に賛成した人はですね
やっぱりゆとり教育にまずい点ができても
反対しちゃいけませんよ
やっぱりそれだけの見識あり
考えてやんなきゃいけませんね
しかし教育委員会とか 教育にあまり関係なくて
そのゆとり教育だけ
うっかり賛成したり反対したりした人はですね
やっぱり ものすごく多かったんですよ
それが一番悪かったのがメディアですね
やっぱりメディアはゆとり教育が出てきた時は
ゆとり教育賛成の人をどんどん出す
そして今度ゆとり教育がうまくいかなくなったら
ゆとり教育がうまくいかないことが
ゆとり教育反対の人をどんどん出す
それからじゃんじゃん態度を変える
不見識な評論家を出すということで
たちまちの内に ゆとり教育が潰れたわけですが
これはまぁ 以前に一回お話ししましたけどね
その中の一番象徴的な問題は π=円周率ですね
円周率=3と教えるということが
そのうち誰か評論家が言ってですね
冗談じゃないよと
3.1415 せめて3.14を覚えさせないと
子供はね 暗記の力がなくなるじゃないかなんていうですね
超くだらない 話が出てきたんですよ
僕はまぁ物理系ですからね
専門に近いから当たり前ですけど
えー π3じゃ何で悪いの?っていう感じでしたね
π3っていいじゃないのと
π3っていうのはね すごくいいんですよ
えーとπをですね
3.1415とか π=3.14と覚えた人はですね
例えば直径が1㎝であると
それでこの円周は何㎝ですかっていったら
1×3.14ってやるんですよ
それで3.14㎝ですって答えるんですよ
全くそのー こう労働者のちゅうかね
頭を使わない学問を教えてるわけですね
πが3という風に教えるのが すごく素晴らしいんですよね
つまり直径に対して円周 円を直径こうありますね
例えば ある運動場に立ちますよ
そしたらどうもこの運動場は
向こうまで50メートルだなーと
そしたらこれに これをグラウンドにしたら
大体一周 何メートルぐらいのグラウンドが
できるかなとこう思うとですね
その時は3掛ければですね
150メートルの 一周150メートルの
そのー グラウンドができるんだとかですね
それから400メートルのグランドがあったとすると
これまっすぐ行ったらどのくらいって誰かが
まっすぐ行って100メートル競争できるって言ったら
うん400だからね 3で割ったら100メートル超すから
大丈夫じゃないのってこう言えるわけですよ
つまり科学とか学問っていうのはですね
本質にできるだけ迫って教えるとですね
教わる方も楽しいですよ
ところが πは3.14だとか 3.1415だとかってやるとですね
単に横に計算機があったら 計算するだけですよ
そうすると人間は思考力とか そういうのを使うんじゃなくて
単なる計算機だけになっちゃうわけですね
しかし 僕はこの問題が起きて
多くの人がπ=3ってなんだ
こんなことを教えて ゆとりの教育は
馬鹿じゃないかって言った時に
あれ! この人たちってπが3だってことを
知らなかったのっていう風に思いましたね
例えば面積もそうですよ 円の面積πr^2ですよね
これまた すごく面白いですよ
円を四分の一に切ったところが
ちょうど半径のrですからね
そのrの正方形になりますから
そのrの正方形の切り取り
三日月みたいなところが切り取られるわけですが
それがですね πの^2が正方形で
その r^2 四つありますからね
それで4で割ったら
それが面積なんだって気が付くんですよ
そん時の小学生の喜びが 学問の喜びなんですよね
それから3分の4πr^2なんで 今度πr^3だったかな
球の面積を 今度球の体積を覚えた時も
ああそうか ここでは今度3分の4かと 3はπかなーと
4はあれ 4分の1だったからなーと
球になると それが4つだから4倍なのかなーとか
あーなるほど球の体積っていうのは
πr^2を3で割ったやつが4分の1の片割れで
それに4倍すると円の体積になるのかっていったら
感激があるんですよ
知的な興奮があるんですよ
だからπは3と教えるべきであって
しかもまぁ 僕みたいにも大人になった人はですね
πが3ということを覚えておくことによって
覚えるっていうかな 3であるということの
本質を知っていることによって
数学も面白くなるんですよ
何もねー 専門家じゃないんですから
難しい数学を覚えるんじゃなくて
数学で明らかにした 人間の知恵というものが
どういうもんだっていうのは
π3っていうのは ものすごく良かったんですが
あの時π3をねー えっと何て言うか
応援する人ってすごく少なかったんですよ
何でか知らないけど
みんなπ3 なんだなんだってね
それでこの頃ね まあこう言っちゃなんですけどね
全然こう学問というものを楽しさも知らない
教育というものも 知らない人がね
何しろテレビで大きな顔して言うんですよ
もうね 嫌になっちゃうんですよね
私もテレビ随分出てましたけど ある野球選手がですね
僕に対して 武田先生の温暖化のやつは
私はもう全然理解できないと 反対だとこう言われたんで
もう もちろん反論しませんでしたよ だってね
電熱もわからない 地球の気温もわからない
CO2の量と気温の関係も知らない
そういう人がですね その私が言う
地球温暖化の見通しみたいなものを言って
それで評価できるんですかね
私はね その選手のバッティングには絶対口出しませんよ
そりゃあなたはね プロ野球選手だったから
それは私とは 比べ物にならないから
私は 球の投げ方とかバッティングの仕方なんか
あなたに反論しませんよって言いますよ
人間はどんなに傲慢でも そのくらいの謙虚さを
持ってなきゃいけないじゃないですかね
ところがテレビで ちやほやされましてね
ここでテレビの文句言うわけじゃないですけれども
まぁテレビで活躍する芸人
芸人っていうのは 凄くいい人が多いんですよ
あのなんか 見かけが悪くてもですね
個人的にこう知ると 本当にこの人
素晴らしいなと思う人が多いんですけども
だけどやっぱり芸人とかそういうスポーツ選手とか
そういう選手のギャラが多過ぎてね
私なんかは学者だから 文化人枠とかいって
それの十分の一だったり 二十分の一だったりしますからね
そうするとやっぱり テレビ界では
僕らは馬鹿にされるんですよ
馬鹿にされるのは 別に構わないんだけど
それによって その地球温暖化だとか
π=3なんていうのがですね
非常に大きく間違って 伝えられるわけですね
今度の感染症についてもそうでした
ここまで知らない人がよく言うなと
いう風に思うことがよくありましたね
そういうことで 教育は特に子供を教育しますから
ゆとりの教育が良かったんですよね 本当は
ただ問題はむしろ その学習指導要綱でそのまま教える
つまりその 今度次の時に問題にしますが
つまり本人の能力を伸ばすということじゃなくて
国家としてどういう人間が必要かという
明治時代の教育のまま 現在進んでるわけですね
それでみんな苦しんで いじめはできるし
受験ノイローゼはあるし
色んな問題が 男女の問題も含めて起こるわけですね
ですからこれは とにかくですね
まず議論することですね
それから三段階改革っていうのが いいと思うんですね
後で平和の問題もやりますけども
平和問題とか こういう教育問題とかですね
こういった問題みんな難しいので
一度で全部やっちゃうってことは無理なんですよ
やっぱり少しずつ 一つずつですね
三段階でこういう風に 平和を達成しますよとか
こういう風に教育をまともにしますよと
第一段階はここまでやりますと
第二段階はここまでやります
第三段階は第一第二をやった結果も見ますが
一応こういう風にやりますと いうぐらいのですね
全体のシナリオを示して
そして説明すれば ゆとりの教育もですね
π=3の問題も まともになってですね
日本の教育が 良くなったという風に思いますが
それが そこまで十分にやらなかったもんですからね
文部省の役人が傲慢だったかどうか わかりませんが
っていうことなんですね
2022年1月10日 (ヒバリクラブ)
#武田邦彦
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