2022/01/14

矛盾に満ちた人間 偉い人も解決できず 建前は役に立たない (武田邦彦)




本日の収穫(3729文字) 

宗教の問題を考えるということが
自分の人生を幸福な毎日
笑いの絶えない人生にするためには 非常に大切なんですが
多分 今度もう5~6回続けたもんですからね
一応別のところに ちょっと展開して
それからまた宗教に戻ろうとしてるんですが
多分非難されます
もうね 色んな点で非難されるんですよ
なんか出しますとね
今度で非難されるのはね
多分 何だか武田は色んなこと言ってるけど
本居宣長も出さないで
日本の神のことを言えるのかとかですね
それからヨーロッパはものすごく
山ほど宗教学の本がありますからね
その解説もしないで
誰も紹介しないって何だって言ってくるんですよ
これね 文献主義っていうのがあってですね
何しろ何かを言うためには
最初に ここまでこれまでこうだ こうだ こうだと
そういうことを ずーっと言わないとね
お前はそんなことも知らないのかって まず言われるんですよね
これの非常に面白い例がね
高等学校の倫理っていう教科書があるんですよ
倫理の時に使うですね
それで高等学校の生徒さんはですね
倫理っていうのはよく知らないんですね
言葉も知らないし それからどういう風に
勉強したらいいかも知らないんですよ
それからもちろん 日本文化とヨーロッパ文化
中国文化の中の社会と倫理の関係とか
法律と倫理の関係 全然知らないんですよ
それで学ぼうっていう時にね
教科書の最初に まずギリシャ哲学が出てくるんですよ
それからずーっと教科書の最後までね
なんだかギリシャ ヨーロッパが先に来ててですね
東洋が後に来て日本なんか
ほとんどないっていうのは不思議なんですけど
まぁそういう悪口は別にして
とにかく古今東西の倫理の論文とか
本なんかが引用されてるだけで
高等学校の学生に どういう風に倫理を教えるのかっていう
倫理の教科書の執筆者 何にも言ってないんですよ
それはね 教えるってことはどういうことかっていうと
もちろんね 古今東西の明智をね
ただ羅列すれば教えることになるんだったら
教科書っていらないですよ
教科書っていうのは その高校生なら高校生
できれば地方も含めて ある高校生に対して
その人が本当に 人生で倫理っていうのが役に立つためには
どういう風なことを教えなきゃならないかっていうのを
もう先生方は苦しんでね
やらなきゃいけないんだけど
もう今はね 文献だけやりゃいいんですよ
この前 一神教の何とかっていうのを
ちょっと話を聞いてたんですよ 二時間ほど
そしたら全部文献です 文献の紹介だけですね
だから それではやっぱり駄目なんですが
そういう人が まぁ学者20人のうち
18人ぐらいそうですから 19人ぐらいそうですからね
だから宗教と 今の我々の生活と宗教をどう考えるべきか
なんていう ここ5回ぐらいのやつは
多分 ものすごく批判が来ると思いますが
それをさて置いて 先に進みたいと思います
宗教には 非常に変なことがあるんですよ
一番変なことは
牧師様とかそれから神父さんもそうですね
カソリックでは神父と言って
プロテスタントでは牧師と言うんですけど
日本の坊さんも結構そうですね
独身者が多いんですよ
それは違う人もいますよ
親鸞みたいに偉いお坊さんで 妻帯の人もいますけど
肉欲とかね なんかセックスするとかですね
それからものを食べるとか 酒飲むとかいうのをね
不謹慎だって思うんですよ 人間は本能的に
それはやっぱりそうですね あの秘め事なんですよ
男と女のセックスは 秘め事なんです
だから秘めなきゃいけないから
そういう秘めたこと 何となく嫌らしく見えるっていうか
非道徳的に感じるんですよ 人間は どうしても
これは生物学的には回答があるんですよ勿論 あるんですが
その人間の感性としては どうもねー 何か女の人
僕は男ですから 女の人としたりね
セックスしたりするのが
悪いことのように感じられるわけですよ
恥ずかしいこと やってはいけないこと
そんなことないんですよ
だって もしも人間がセックスをしなければ
子供がいないんだから 元々宗教なんていらないですよ
子供がいなければね
もうだから宗教が必要なのは子供がいて
人間社会が続くからなんですよ
食べ物もそうですね やっぱり
焼き肉を友達と一緒に 焼き肉をビール飲みながら
うわつって食べたらおいしいんですよ 楽しいですよね
それからお寿司になるとね ちょっと僕の場合はね
美人の人とね お寿司を食べてっていうのがいいですね
なんか良くわかんないけど
焼き肉は 焼き肉もいいですけどね
やっぱり魅力的な女性と食べるっていうと
お寿司かなーと思ったりしますね
しかしこれもやっぱり 何となく後ろめたいことなんです
つまり人間は 自分の欲望を果たしたらいけないっていう
だけど欲望っていうのは何でできてるかっていったら
扁桃脳が命令する 生存に必要なことなんですよ
だからまぁ 性欲なんてのが一番強いんですよね
だけどどうしても性欲には なんていうかこう
躊躇があるんですよね
これが人間というものなんです
それでまた勉強なんかでも面白いですね
小さい頃お母さんが勉強しなさいって言って
勉強して立派な人になりなさいって言って
自分自身も勉強して立派な人になろうなんて思うわけですよ
立派な人っていうのは お金を稼ぐ人でもあるんですよね
同時に 同時にですよ 必ずしもそうじゃないですけど
そうしますと お金を使ったら環境に悪いとか
レジ袋有料化するとかやってるわけでしょー
だから一体自分が努力して偉い人になる
偉い人になって高い給料もらわないっていうのも
ちょっと変なんですよね ちょっと変だと
もちろん 良寛さんみたいな人もおられますけどね
やっぱり これは正常じゃない
だからまぁ 従業員と社長の間で
あんまり給料が違うのもなんですけど
一生懸命努力して社長になった人が 年間千五百万と
従業員が六百万と
アルバイトが三百万と まぁ言えばと
いう感じになっちゃうんですよ これも矛盾してるんです
それ以外にも 毎日の生活で矛盾に満ちてますよね
僕がよく学生時代に言ってたんですけど
学校でね 学生を指導してるとき言ってたんですけど
その頃が 大学がですね 田町にあったんですよ
山手線の田町 東京のね
そしたら ぎゅうぎゅう混んでるでしょう
そしたら学生が ぶーたらいって研究室入ってくるんですよ
今日混んでたつって 僕はねその学生にね
混んでたの?
混んでたんですよ先生 暑くてっていうから
それじゃー 君が降りたら空くじゃないかって
ところがね 人間は自分が降りたら
空くっていうことに気が付かないんですね
みんなが俺は殿様だから電車に乗っていいと
ということで このことはですね
偉い人でも 解決できなかったっていうことなんですよ
聖職者の独身なんていうのはね
今でも解決しないんですよ
だから 人間は矛盾に満ちているんです
矛盾というのか それが合理的というのかね
人間の大脳皮質で感じる 罪深いことというのは
人間が本当にしたいことなんですね
一番簡単には性欲ですよ
性欲 子供を産むんですから全然悪くないんですよ
玉のような赤ちゃんねー
赤ちゃんの笑顔なんて 本当にいいじゃないですか
それは赤ちゃんの笑顔がいいっていうことは
赤ちゃんが大切だっていうことですよ
赤ちゃんが大切ならセックス…(笑) だけどこれがね
人間の傲なんです 傲っていうんじゃないんですね
錯覚つったらいいですかね 大脳皮質の錯覚なんです
だからこの人生を考える時に
まず宗教のことやりましたけどね
僕 その中でちょっと言ったんですけど
あんまり真面目なことを考えると
外れちゃいますっていったの それなんですね
あの すごく真面目なことが好きな人っているんですよ
非常にいい人なんですよ
必ず真面目な人っていい人なんです
だけども真面目を突き詰めると
どういうことになるかっていったら
もう人間捨てちゃえってことになるんですね
そこに この難しさがあるんですよ
だから真面目な人とか さっき言った
宗教の お前は宗教のことを知らないで
本居宣長も述べないで
日本の宗教を論じるとは何事か
なんていう人たちっていうのはですね
色々ちょっと問題はあるんですね
この前 私がですね
南の国は口を開ければバナナが降ってくる
海に行けば魚が捕れる
一日中 何もすることがないので
豊かな国は 麻薬を
そんなに悪いものと思わなかったんだって言ったら
ものすごい激しい批判が来ました
その人は もう麻薬はとんでもないと思ってるんですね
それは ヨーロッパの倫理なんです
日本でも そうじゃないんですね
日本は麻薬を禁止したことがないんですよ
昭和二十四年に
アメリカのGHQの指令で 大麻取り締まりとか
色んなことができましたが
日本は元々 アヘンも吸わないんです
麻薬も吸わないんですよね 吸いたくもないんです
だから この麻薬の問題なんかでね
僕を激しく非難してくるっていうのは 私に言わせりゃねー
なんで南の国は麻薬を禁止してないのかとか
歴史的に禁止してないんですね
日本ではね 麻薬じみたもので禁止をしてるのは
タバコが二回ぐらい禁止されてるんですね
肺がんじゃないですよ
だけど二回ぐらい禁止されてるんですね
それ以外は 大麻もヘロインもコカインも
アヘンも 一回も禁止されたことないんですね
それはなぜなのか なぜそうなのかっていうことを
自分の倫理観とは離れて 考えなきゃいけない
倫理観ていうのは ここで言ったように
矛盾に満ちた人間における倫理観って
非常に難しいんだっていうことですね
それでどういう矛盾に満ちているのか
これはやっぱり我々が この楽しい人生を送るためには
必要なことだと思いますね

2022年1月9日 (ヒバリクラブ)

#武田邦彦

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