本日の収穫(3753文字)
えーとですね 教育の問題に最後にですね
PTAと教育委員会について 触れたいと思うんですね
教育の問題ってもっといっぱいあって
いじめの問題もあればですね
先生の問題もあるし
学校の将来の問題もあるんで
また更にですね 話したいと思うんですが
一応ここではですね 今回は教育の基本
日本の教育の基本のですね
子供のための教育なのか
誰のために教育やってるのかと
いうことを中心にお話ししてきました
それで そのまとめとしてっていうか
そのそれに付随する問題ですね
PTAと聞きますとね 皆さんもPTAは困るよと
もう権力争いがあったりですね 意地悪があったりですね
もうPTAなんか 何のためにやってんのと
Parent-Teacher Association
英語でできていると同じように
これはまぁアメリカから直輸入されたものなんですね
教育委員会もそうなんですね
教育委員会も文部科学省のような 中央集権的ではなくて
地域地域で教育を
教育委員会が指導してやるという思想なんですね
これはですね 基本的にはですよ
非常に複雑にも また別なんですが 基本的にはですね
元々教育というものは ヨーロッパの文化で言えばですね
貴族が自分の家に家庭教師を呼んで
そして師弟に教育をさせるっていうのが
基本でスタートしてるんですね
もう一つ もちろん
公的な学校っていうのもあったんですけれども
ほとんどは職業教育なんですね
大学ですと 例えば神父さんを教育する神学校とか
それから弁護士さんとかそういうのを教育する
公学校?といったようなものが中心でですね
いわゆる我々がぼんやり考える 読み書きそろばんとかですね
それがさらに進んだ英会話とか
それから算数の難しい問題 数学の難しい問題
そういうものを 思い浮かべるもんじゃなかったんですね
そういうことで それが発展しまして
今でも欧米ではそういうところ 多いんですけれども
父兄が集まって 学校を作ろうじゃないかと
そうしないと どうも子供達の教育が
うまく行かないからっていうんで
学校を作ってですよ 父兄が学校を作って
先生を雇い入れて
それで先生方とその父兄で相談をしてですね
そして教育をスタートするっていうのが
PTAの原形なんですよ
だからPTAを作るっていうことはですね
教育内容を その親とですね
今で言えば 親と
それから先生方が協議して作るわけですね
ですから 今のPTAがやってることと全く違うんですよ
もっと本質的なことやるわけですね
ここの地域ではむしろ 大学受験をする人は少ないから
高等学校で完結するような 教育をしようじゃないか
例えばそういうことですね
ここは伝統的に 文化を重要視するところなので
国語の教育とか それから古文の教育を重要視して
あまり理科の方は 教養程度でいいんじゃないかとかですね
そういうことを PTAでやるわけですね
ところが日本のPTAってのは 元々そういう文化がありません
それで日本は全然 まぁここでずーっと言ってきたように
子供の教育は子供同士でやる 七歳まではですね
七歳以上は今度は学校でやるけども
男女別学であるという 全然違う考え方
これは立派な考え方で
日本の教育の考え方の方が
子供のことを考えていると私は思ってますけどね
そういうことなんですね
だから今のPTAは 何のために存在するんだと
親の負担を増やすだけじゃないかとか
親の負担を増やすっていうのは 何を言ってるかっていうと
教育はもう学校に任せときゃいいんだと 言うことなんですね
それと同じのが やっぱり教育委員会がそうなんですね
まぁですね 文部省っていうのが 我々はですね
国に文部省っていうのがあって
そこで教育の検定試験もやり 学校も作り
教育も作り それから学習指導要綱みたいな細かいのも決め
大学の受験なんかも全部決めると こう思ってるんですけど
仮に言えばですね アメリカは日本流の文部省はありません
お金 研究費なんかは大学に配るような
組織なんかはあるんですけどね
もちろんそのー 教育内容を
文部省というようなところが決めるってことはありません
またヨーロッパはですね
基本的には大学受験がないっていうか
大学の区別がないっていう感じなんですね
ですからまぁ フィンランドみたいなところそうですが
しかしドイツみたいな大きなとこでもですね
大学に入学するっていう試験はあっても
どの大学に所属するってことは あんまりなかったりしますね
ですから まぁ学生によっては
冬はスキーのできる北のほうの大学
夏はプールに入れる 南の方の大学なんつってですね
渡り歩く人も いないではないんですね
フランスはちょっと エリート教育的なところありましてね
またそれなりに違うシステムなんですが
簡単に言えばですね
ヨーロッパの教育システム アメリカもそうなんですが
主体的な教育が やっぱり大学とか教育機関
中学校高等学校に任されている
どちらかというと
私立大学っていうのが中心で 例えばアメリカですとね
皆さんがご存知の ハーバード大学とか
そのー カリフォルニアの方の色んな大学なんかも
基本的には 私立大学はレベルが高いんですね
日本と逆なんですね
それで公立大学というのは
私立大学に入れないようなお金のない人に対して
教育機会を提供するっていうような感じなんですね
ですから私立大学に入ったけども
どうも授業料が払いきれないということになると
公立の方に移るという
そういうような感じもありますね
それからアメリカでは十八歳になると
これヨーロッパでもややそうなんですが
十八歳になると
親が学費を負担するっていうことはあまりないんですよ
自分でやるっていうことになるんですね
それなりの社会システムも整ってるんですね
ですから 大学に入って二年間勉強したけれども
どうもお金が続かないから
一年間休学して アルバイトして金を稼いで
三年四年をやると
しかも三年四年は ちょっと私立大学では無理なので
そこで公立の大学に入ってやるとかね
そういうものの影響が 中学校高等学校にも及んでいますし
アメリカも昔は わりあい厳密な
大学受験なんかあったんですけれども
現在では 大学入学資格試験みたいなものがですね
高校の時に三回ぐらいありまして
そのうち一回ぐらいはですね
大学入学資格があると認定されたら
もういいと 一発勝負じゃないんですね
ですからこれはね
こういうことを 十分に議論せんといかんですよ
PTAもそうなんです 教育委員会もそうなんですね
私はね PTAとか教育委員会の話出てくると
もう嫌になっちゃうのはですね
そういうその各国の歴史 もしくは
なぜ日本がPTAとか教育委員会を作ったかという歴史
これを全く勉強されないでですね
PTAなんかくだらないとか
教育委員会何やってんだって話になるんですね
それは当然 今何もやってません
それはやっぱり制度っていうのは 作っただけじゃ駄目で
作ったものを議論しなきゃなんない
ところがPTAなんかくだらないからって
現在の今の状態だけが議論されるんですね
だけど本当に大切なのは 子供達のために
日本の教育をどうするんだってことを
十分に大人が議論して
それを具体的な形にするのが 大切だと思うんですね
私は日本の国民の制度 もしくは日本の文化
その二千年間の日本の文化からいって
やっぱり PTAと教育委員会制度を廃止してですね
今よりか 緩やかにした文部省と
それから学校にかなりの権限を
与えた学校組織
それをですね 中心に日本の教育を
再構築する必要があると思っております
私の個人的な意見ではですね
これはだけど 個人的な意見なんで
現場に教育があたってる方
その他の方のご意見も色々議論してですね
全然 何も議論しないで PTAと教育委員会があって
それをただ横から
批判するというようなことを
今までのようなことを 続けてたらですね
それは大人の慰み みたいにはなるんですが
その下で教育を受ける
子供達としては どうにもならないんですね
例えば いじめの問題なんかは
まさにPTAと教育委員会が 担当することなんですが
まぁ教育委員会は いつも頭を下げている
PTAはいつも 親の方はいつも
いじめを学校はどうしてくれるんだって怒り狂ってる
だけども いじめというものを学校の方で処理するのか
親の方で処理するのかということも 議論されてないんですね
これはマスコミがですね そういう議論を
止めているって言ったら ちょっと極端なんですけど
マスコミの人も ほとんど知らないですよ
教育の実態とか PTAがどうしてできたかとか
アメリカとか ヨーロッパの教育制度がどうなってるか
まして東南アジアとかね 中国とかインドとか
そういうところが教育どうなってるかなんて
全く知らない人が多いんですね
ですからまぁ そういう中で
PTAとか教育委員会が 出来てきてるんですよ
日本の文化では PTAも教育委員会も絶対できません
だから日本が 第二次世界大戦の時に
まぁ一応占領されたような
状態になったんで できたもんなんですね
ですからこれはもう 戦後七十年経ちますし
色んな問題点っていうのは いじめも含めて
それから 子供中心の教育っていうのを含めて
それであのー ゆとり教育が潰れたってことも含めてね
それは基本的にもう一回
極めて重要なテーマなので 教育自身はですね
これを議論することが大切だと
決してPTAとか 教育委員会の批判をですね
成立過程とか 世界の情勢とか
子供と教育の問題というのを切り離して
その文句を言ってもですね
ほとんど身にならないということは
我々が肝に命じておかなければいけない 問題じゃないかと
そういう風に思います
2022年1月13日 (ヒバリクラブ)
#武田邦彦
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