本日の収穫(3671文字)
よく学生とかですね 卒業生とかそれから一般の人からも
どうも仕事に熱が入らないんだ
職場の人間関係がうまくいかないんだ
やりがいのある仕事を 見つけたいというような
悩みを持ってる人が多いんですけれども
私はね こう思うんですね
まず仕事というのは 基本的には恩返しだと
基本的には恩返しなんで
別に やりがいがなくても辛くてもいいと
辛さを我慢することが
むしろ自分が今 食べたり
使ったりしているものを作っていただける
色んな人の恩に報いることができる それが基本なんですが
しかし二十歳ぐらいからですね
実はまず最初はやりがいのある仕事を
探すべきだと思うんですよね
それで やりがいのある仕事が見つからなければ
恩を返す仕事を選ぶと
恩を返す仕事をやってるうちに
それがやりがいになる場合もありますからね
そういう順序で ものを考えるっていうことが
非常に重要だと思うし
仕事における不満だとか 上司に対する不満とか
それから 人間関係の不満なんかをかなり軽減
軽くすることができるわけですね
それから上司に対する不満の多くはですね
上司が自分と 意見が違うっていう人がいるんですよ
しかしそれはね よく酒場なんかで
そういう文句を言ってる人がいるんですよ
あの上司はけしからんと けしからんということは
自分が正しくて 上司が間違ってるという前提なんですけれども
それは人によって意見が違うっていう場合が多いんですね
それで会社の組織っていうのは
非常にいいんですよ っていうのは
もし上司と意見が違ってたら ここは難しいんですけどね
これをよーくこう吟味して かみ砕いていただきたいんですが
自分の魂を曲げなくても
会社の仕事を続けてられるっていうことなんですよ
これがね やっぱり自分でやる仕事っていうことになると
自分の魂を 屈するのが嫌なんですけどね
それは まぁ15の夜で
なんで俺の 思う通りに
ならないんだっていう不満になるんですよ
ところが会社っていうのは 非常にあっさりしてて
意見が衝突したら 上司の言う通りやればいいんですよ
上司が責任を持っているんだしね
嫌な上司ももちろんいますよ
それから責任を転嫁する上司もいます
しかし基本的には そういう風になってるんですね
会社組織のいいところは
意見が違ったら上司の言うようにやっとけば
自分の魂には触れないっていうとこがいいんですよ
もしも一個一個自分の思う通りやるか
自分の魂を屈するかってことになると嫌なんですよね
だから自分の主張すべきことを 柔らかく主張し
いやー私はこうやった方がいいと思うんですけどね
僕はこうやった方がいいと思うんですけどねって
違うと言われて ああそうですかと
これが 会社のシステムのいいとこなんですね
ですから 本来は
会社は仕事の悩みが生じないはずなんですよ
だからこれは 正しく考えればっていうことになって
正しいとは何かってのは 僕 本書いてるんですけれども
まさに正しいとは何かということを
よーく考えておくということが大切だと思うんですね
ですから やりがいのある仕事っても
最初からやりがいのある仕事につける人もいますよ
だけどそれはね 十人に一人ぐらいですよ 私が見てると
やっぱり多くの人は
つらい仕事 やりがいがない仕事をやってるんですよ
だけど元々仕事っていうのは
恩を返すわけだから それで構わないんですよね
偶然にやりがいのある仕事に
就く人がいるということなんですね
それから 余暇なんですけど
これは第一の人生 五十までの第一の人生と
五十からの第二の人生に 大きく関係するんですけれども
余暇は第二の人生 六十とか七十で
余暇を楽しむというのはやっぱり違うんですね
日本人は そこがやっぱり
日本人の悪いところっていやー そこが悪いんですね
余暇ってのはやっぱりね 若い時で感受性が高くて
つまり何でも楽しくて美味しくて 楽しくて美味しくて
体も疲れないっていう時に余暇が楽しいんですよ
それで もう七十代になりますとね
おいしいものがない
やりたいことがない すぐ疲れる楽しくない
だってね例えば それは幼稚園児を見てたらわかりますよ
幼稚園児を見てると
どんなつまんないことも楽しくやってますよ
けらけら笑いながら だから人間っていうのはね
残ってる人生の時間が短くなると
楽しくなくなっちゃうんですよ
ですから余暇もですね どっちかっていうと
若い頃に 余暇の時間を取るっていうことなんですね
ですから やりがいのある仕事をやり
余暇が欲しければ 欲しければですよ
別に無理やり 余暇は絶対必要だとかね
それから家庭に帰る時間が 早くなきゃいけないとか
これ全部ね 錯覚です
やっぱり自分の人生は 自分がしたいようにする
したいようにするって 迷惑を掛けちゃいけませんよ
私がそれに目覚めたのは 三十二歳だったんですよ
三十二歳の時に 自分はみんな
他の仲間と一緒に酒飲みに行くよりか
ホテルで その時宿でね 安宿で英語の論文読んでる方が
自分には面白いんだっていう 意外なことを気が付いた
それで自分の身の回りを見ると
自分は一体 本当に自分の
自分がいいってことやってんのか
いや別に仲間と飲みに行かなくてもね
仲間は三人で飲みに行ってるんですから
僕は加わらなくたって 加わったって同じなんですよ
私はどう見ても飲みに行くよりか
つまんないし つまんないこと
つまり英語の論文を読むっていう方が
その当時は面白かったんですよ
研究も熱心でしたからね
だからまぁ 人の人生っていうのは
そういうやり方っていうか 考え方で決まるわけですね
それで年取ったら 今度は逆にですね
余暇はやっても つまんないんですよ
要するに幼稚園児みたいに
つまんないことをケラケラ笑えないんですよ
だからどうするかっていったら なんか無意味にですね
あんまり無意味というと やってる人に悪いんですけど
超豪華旅行とか そういう風になっちゃうんですね
別にね 本当はね
旅行っていうのは感受性が高くて 何でも楽しい時は
普通車でも何でも楽しいんですよ
ところが老人になると
いい車に乗らなきゃならないっていうのは
それから いいグリーン車に
乗らなきゃないなんていうのはやっぱりね
感受性が鈍くて 疲れやすくて
面白くなくなってくるからなんですね
じゃあ そういう時の余暇っていうのは やっぱりね
周りを掃除するとかね
ボランティアにやるとかね
そういうことが またいいんですよ
だから老人は老人としてのやり方がある
つまり五十歳から百歳までの余暇というのは
今と考えを逆転させたらいいんですね
五十歳から百歳までは旅行に行くとか
世界旅行をするとか そうじゃなくて
旅行するとか世界旅行するってのは
忙しい最中の二十から五十までやって
学生も 学生の時もいいですからね
ゼロ歳から五十歳までやって
むしろ何も面白くなくなった
五十から百歳の時は面白くないものをやる
例えば本を読むとか 掃除をするとか
町内会をやるとかですね
町内会も人に迷惑を掛からないように
町内会やる人もね ご年配で町内会やる人も
自分は町内会好きだけど 若い人町内会 嫌なんですよ
ところが若い人を 参加させようとしちゃうんですよ
そうじゃなくて
自分はちょうど町内会でも面白い時期だから
自分が どんな
細かいこともやろうと思ったら楽しいんですよ
それでみんなも 感謝してくれますから
特に八十歳以上になりますとね
ご飯もおいしくなくなります
それから やることも楽しくなくなります
その時はその時の 余暇の過ごし方ってありますね
その時に無理やりどっか 無理な日程で
世界旅行しても これはまた つまらないんですよね
そういうことで基本的な人生設計ってのは 本当にね
錯覚に満ち満ちてるんですね
ですから それから勿論仕事はですね
恩を返す仕事と やりがいのある仕事はありますよ
金を稼ぐ仕事っていうのは 僕はないと思います
お金を目指して仕事をしたら
絶対に不幸な人生になりますねー
私は多くの人を見てますけど 必ずそうですね
ですから まず第一仕事は やりがいのある仕事を求めて
それがそういう
ポジションにつけない場合が八割ぐらいありますから
つけなければ やがてやりがいのある仕事がつければ
それを頑張ろうと思って 今は恩を返そうと思って
恩を返すつらい仕事をしている
決してその中に お金が儲かる仕事を選ばないっていうことですね
私も三十二で気が付いて以来
二回三回と転職しましたけれども
決して次の 仕事の給料を聞きませんでした
自分が生活できればいい それで絶対生活できるんですよ
職があればっていうのは
生活できない賃金で雇う人いませんからね
そういうのは たちの悪い人だから
そういうとこは行かないようにしたらいい
だから仕事は やりがいのある仕事を探すんだけれども
駄目な時は まぁ 一生懸命働くと
それはお金を目当てに働くんじゃない
これはもう極めて大切なことですね
それから余暇もできるだけ若いうち
元気で楽しくて美味しい時 これが大切ですね
これは三要件ですよ
元気で疲れなくて 何でも楽しくて
つまらないことでも楽しくて
何食べても美味しいという時に
余暇を過ごさないとですね
疲れやすい面白くない ご飯が美味しくないっていう時に
いくら旅行しても何してもつまらないですね
だからその時は またその時のやり方
若い人がつまらないと思う 掃除だとか町内会とか
ボランティアとか そういうものの方に行くと
まぁいうのが非常に重要じゃないかと思います
2022年1月21日 (ヒバリクラブ)
#武田邦彦 先生
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