2022/03/15

【炉端の話】 ウクライナ:日本人の正義は外交に役立つか? (武田邦彦先生)



本日の収穫(3788文字) 

今日はウクライナの話なんですが
ウクライナのロシアがですね
ウクライナに侵攻したのが
いいか悪いかとかそういう話じゃなくて
何のために日本人はウクライナについて
関心を持っているのか
その関心っていうのは言ってみれば
あんまり役に立つ立たないで
物事を考えちゃいけないんですが
日本の役に立つ方向を向いてるのかって
いうようなお話なんですけれども
えーとですね 日本人っていうのは
正義感っていうのがあるんですね
それからもちろん正義もありますし
それから誠実っていうのもありますね
それから恩っていうのもありますね
こういったものはですね
日本人は人間に共通してると思ってるんですね
人間社会に共通してると思ってるんです
しかし例えば正義については
非常に素晴らしい言葉がありましてね
正義の道は地獄に通じるって
やつがあるんですね
国によって少し言い方違いますが
大体そういうことなんですね
なぜ正義の道が地獄に通じるのか
つまり正義というのは
何を正義と決めたかっていうことなんですね
神様がいればですね
神様にこのことは正義はどちらですかって聞いたら
神様が決めるでしょう
それから暫くたちますと
道徳とかいうのがありましたからね
偉人が孔子様が正義を決めるとか
そういうのもありました
しかし神様とそれからそういう孔子様とかですね
そういう人を除きますと
普通の人間が正義が
自分で決められるかってことですね
私なんか全く自信がありません
日本の正義はこうだっていうことは
ある程度言えますけどね
だけど日本でも
正義っていうのは随分違いますよ
例えば政治で言えばですね
自民党の正義と共産党の正義と違う
昔は自由民主党の正義と
日本社会党の正義っていうのは全然違いますからね
それからもちろん夫の正義と
妻の正義っていうのも違いますし
おやじの正義と息子の正義も違うわけですね
だから正義っていうのは
必ずしも同じじゃないわけですね
今度のウクライナで言えばもちろんロシア
特にプーチン大統領はですね
ロシアがウクライナに侵攻するのが
正義だと思ってるからやってるんですよ あれ
それからウクライナの方は
とにかくロシアなんかに占領されるなっていって
頑張るからこれが正義なんですね
それからヨーロッパの国は
ロシアがウクライナに侵攻するのを今のところ
一応表面上は正義ではないと言ってるわけですが
正義ではなければ別にNATOが
NATOをどんどんどんどん
ロシアの方に接近していったりですね
それからグルジア・ウクライナで
代表されるようなかつてのウクライナですね
十年ぐらい前のウクライナに代表されるように
アメリカの人たちが
ものすごくちょっかいを出しまして
グルジアとウクライナで紛争を起こしたわけですね
もし戦争がいけないなら そんなね
アメリカのちょうど地球の裏側まで行かないけど
裏側に近いところにある
ウクライナとかグルジアとか
そういうところでアメリカ人が暗躍してですね
国をかき回さなくていいわけですよ
国をかき回したのはアメリカだってことは
人物も特定されてますので確かなんですね
これディープステイトとか
闇の勢力とかじゃないんです
表に立ってますからね
ただ日本で報道されないっていうだけなんですね
ウクライナの今度の騒動は
一つはロシアのエネルギー利権ですね
特に原油と天然ガスの利権に対して
プーチン大統領が非常に強い
権限を持っているので
プーチンでも失脚させれば
かつてのエリチンみたいにですね
どんどんどんどん外国に有利にして
ロシアを裏切るという
そういう大統領が出てくれば
もうヨーロッパ・アメリカは大喜びですからね
それが一つあるし
それから最近もう世界が平和になってきまして
軍事産業の機械が 機械っていうか
武器が売れなくなってきましてね
これを売るためにはどうするかっていう問題が
アメリカの軍事産業もちろんありますが
あるわけですね
だから正義がどこにあるかっていうのは
言ってみれば知識によって違うわけですね
戦争はいけないっていうけど
戦争はいけないっていうのはね
ほとんど利用されちゃうんですよ
例えば日本がアメリカと戦争したと
戦争はいけないって言って
今でも思ってる人いるんですけれども
アメリカはですね
常にアメリカの戦争っていうのは
常にこう相手が仕掛けてくるまで
意地悪をするんですね
そして仕掛けてきたら
そこで潰すっていうですね
昔だったらアラモの砦
アラモの砦にわずか二百六十名かなんか
派遣してメキシコが八千人ですよ
それ元々あれメキシコのものなんです
それを二百六十人の突撃部隊で
アラモに砦を作って
そしてそれをメキシコ軍が全滅させたら
やったんじゃないかって言って
戦争を仕掛ける
アメリカとメキシコの戦争ですね
それからだから戦争したのは
メキシコだと 確かにその通り
それからスペインとアメリカの戦争ってのは
千九百年にあったんですが
これはアメリカの軍艦を
アメリカが爆破して沈没させて
それでアメリカの犠牲者が出ますね
スペインがやったんだっていって
スペインが宣戦布告しないで
戦争したんだって言ってスペインを叩く
これでフィリピンをとったわけですね
日本の時もそうでした
中国の鉄道利権をくれと日本に言って
日本に言ったんですよ
中国に言ったんじゃなくて
中国の鉄道利権をくれと日本に言ってですね
日本が嫌だと言ったんですよ
そしたら今度は石油と鉄を禁輸して
日本がもう生活できないようになるんですね
それで戦争に打って出ると
日本が戦争したってこう言うんですね
ベトナムもそうでした
トンキン湾事件で事件を起こして
それで事件を起こしたのはアメリカなんですよ
アメリカの駆逐艦をアメリカ軍が攻撃して
それで損害を与えそれが
ベトナムが攻撃したと言ってベトナムに攻め込むって
いつもこの手なんですね
アングロサクソンっていうのは
イギリスにしてもアメリカにしても
戦争を自分達で
スタートするってことないんですよ
戦争を相手にさせるんです
ただ相手がするまで追い詰めるっていうですね
窮鼠かえって猫を噛むという
状態までするんですよ
圧迫して圧迫して
ついに相手が戦争を仕掛けたら
お前らが戦争してきたからっていうやつやるんで
これは正義がどっちあるんですかね
これを純情な日本の人達は
報道の問題もあるんですけど
いつも引っかかるんです 引っかかって
結局日本もアメリカとの戦争に入って
三百十万人の日本人が死んじゃったんですね
それをこの
その後ずっと私が見ますとね
例えば満州国で私は学校ではね
満州国を日本が作ったら
リットン調査団っていうのが来て調査をして
そして日本が満州国から離れろという
報告書を書いたから
日本は国際連盟を脱退して孤立したって
書いてあったし先生もそう教えたんですよね
ところが私が
リットン報告書をもう一回見ますとね
リットン報告書に参加した国に
分け前をくれればいいって書いてあるんですよ
そりゃそうですよね
だってリットン調査団の構成員っていうのは
大体植民地にいる軍人なんですよ
だから自分たちが植民地にいるわけですから
日本の満州国っていうのは
植民地じゃありませんが準植民地ですね
だから自分たちが完全な植民地を持っていながら
日本は植民地を持っちゃいけないとは言えないんです
言えないけど
分け前はよこせと言ってるんですね
アメリカもそうですね
だからそういうアングロサクソンばかりじゃなくて
白人全体的にそうなんですが
だから日本の正義を唱えるということが
戦争の前にはもう何回も失敗して
日本が失敗してですね
日本人ってちょっとね
そういう点では傲慢なんですよ
自分が考える正義は正しいと思ってるんですよね
自分の考える正義が正しいんじゃないんですよ
アメリカ人にはアメリカ人の正義があり
ロシア人にはロシア人の正義があるんですね
アメリカ人は他国にちょっかいを出して
他国の政府を
転覆させたりしてもいいと思ってるんですよ
もう自分たちの得になりゃ
いいじゃないかって言ってるわけですね
それがアメリカの正義なんですよ
中南米なんていうのはですね
アメリカが山ほどそういう細工をして
中南米の人たちを苦しめたんですけど
それはアメリカの正義なんですよ
もちろん日本はアメリカ人のやることには
絶対に悪口言わないっていうのが日本人ですからね
どうして日本人が
そういう風になったのかよく分かんないけど
とにかくそうなんですよ
ですから日本の新聞も何も
必ずアメリカ人の味方しますからね
だから日本人は
分からないっていうだけなんですよ
だから今度のことでちょっと皆さんが
ウクライナをロシアが攻めるのは悪いんだ
プーチンは頭が狂ったんだなんて
言ってるわけですけども
本当ですかって言いたくなっちゃうんですね
それからパラリンピックまでロシア参加させないとか
ベラルーシ参加させないとか言ってますけど
オリンピックのこれは政治利用ですよ
政治というものはですね
政治とかそういうものはもう複雑ですからね
ただ戦争しちゃいけない
戦争しちゃいけないっていうと
力の強いものが
相手をぎりぎりまで追い込むんですよ
窮鼠かえって猫を噛むということでですね
ネズミも猫にいたぶられて
我慢できなくなったら攻撃にかかる
これはもう日本の戦争も同じなんです
ですから弱い方が戦争を仕掛ける時もあるし
強い方が戦争することもある
そういうことをよく考える必要があるなと
本当に最近思いますね
本当に日本人って
外交できるのかなって思ったりします
っていうのは自分が正しいことを
正しいと思っちゃうっていうのは
これはやっぱり外交には役立ちませんね

2022年3月9日

#武田邦彦 先生

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