2022/04/03

科学的哲学的論考 ▶原発講座(10)総合  日本国民は原発をどう考えるか? (武田邦彦先生)



本日の収穫(4064文字) 

原発のことを個別に勉強してきましたが
今日は第十回目ということでですね
じゃあ個別のことが分かったと
多重防御があってそれがサボってたとか
固有安全性については
理論がしっかりしてなかったとか
その他色々技術ということで嘘をついてたら
技術は完成しないとか
そういうことが色々分かってきたわけですが
じゃあ一般国民はですね
原発をどう考えたらいいのかと
いうことについての
私の見解を少し述べたいと思いますが
まず第一にですね ちょっと日本人は自分の考えとか
感情を決めるのが少し早いんですよね
ほとんど事実を知らなくても
直感でなんかあれはだめだ
これは駄目だってなっちゃうんですね
そのタイミングがね
少し早いぐらいはいいんですけど
ちょっと早すぎるっていう感じがするんですね
ですから原発のことを
今までも随分お話してきました
私に最初に質問される人の意見がですね
かなり違った事実だったので
それを少しこう あー実はそれは
こういうことなんですっていう風に説明すると
やっぱり結論が変わって
じゃあ原発やっぱりやんない方がいいねとか
そういう風になるんですね
ですからは特に今の場合
日本のテレビっていうのは
本当のことは言いませんので
言ってみれば噓のことで自分の感情とか
意見を決めてしまっているって
いうところがあるんですよ
したがってですね やはり原発について
こういう難しい問題についてはですね
できれば自分の意見は曖昧にした方が
いいんじゃないかと思うんですよ
曖昧っていうか これはね
実はお医者さんに行くでしょう
それでお医者さんに行って
ちょっと風邪ぎみで熱があって
どうでしょうかとは先生に聞くんですね
それから先生がなんか診断されて
薬とか注射とかするとしますね
我々はそれは正常なことなんですよ
つまり専門の人がこう決定するんですが
希望は患者さんが述べる訳ですね
早く熱が下がった方がいいんですとか
それからしばらくこれはもう疲れてるから
休みたいとも思うんですとかって
それ希望ですね
医学の知識とは関係ないですね
医学の知識の方はお医者さんが担当する
だから言ってみれば
あの薬をくださいこの薬をくださいっていうのは
いけないことになってる訳ですね
希望だけ述べる
これは医者ばかりじゃないんですよ
例えば昔の日本の住宅っていうのは
非常に優れておりましてね
棟梁っていうのがいまして
棟梁っていうのが間取りを決めるんですよね
間取りを棟梁が決めるのは
他人の家の間取りを決めますから
家を建てる方はですね
十分に自分の人生計画を言う訳ですよ
家族は何人でそれぞれ性格はこういう性格で
何が趣味で将来はこういう風な
家庭にしていきたいとか
そういうことを話をするんですね
それが普通は 実は自分で
間取りなんか決めてしまうとですね
自分の人生の希望とか方針が
はっきりしないっていう場合があるんですね
つまり必ず実際に自分がやりたいことと それから
専門的にそれをどうするかってことは別なんですね
日本の場合ちょっと話が違うんですが
もう少し拡大しますと
お寿司なんかもそうなんですね
お寿司もマグロを握ってくれとか
シャコを握ってくれとかいうのは本当は邪道で
今日はどういうものを食べたいかとか
いうのが正しいんですね
そしたら板前がですね それに合わせて
最近はシャリの量が少ない方がいいっていうけど
そんなことないんですよね
ご飯が食べたい時もあるし それから
魚が主に魚だけ食べたい時もある
それを板前っていうのは何であんな風に
威張ってるかっていうとですね
大体板前は普通の寿司屋の板前っていうのは
寿司職人っていうのは
普通よりか威張ってるんですが
あれ威張ってるのはなぜかといったらですね
普通は例えばステーキを食べたいとか
百五十グラムとかレアだとか
なんかそういう風なことをずっというんですね
ところが日本はそうじゃなくて
職人の方がその人の顔色とか
食べ方を見てですね
自分の専門職に合わせて適当なものを
出すっていうそういう文化なんですね
原発もね それに習ったらいいわけですよ
つまりエネルギーが不足しているのか これもね
将来エネルギーが不足するかっていうのはね
ほとんどの人はすごく心配してんですけど
あんまり心配する必要ないんですよ
それは専門家がいますから
もっと難しいんですよ
エネルギーの将来っていうのは
エネルギーの将来を考えるっていうのは
原発を考えるよりはもっと難しいんですね
ですから今のところ電気は来てるのか
それともガスをつけたらガスが出るのか
そういうことを考えばいいわけですね
それで今のところ
エネルギーはあまり困っておりませんと
電気も電気代が
もうちょっと安くなったらいいとか
もう少し高くても余裕はありますとか
そういうことは言うわけですね
つまり使用側の希望を
はっきりしておくっていうことなんですよ
僕は一般国民はそれでいいと思うんですね
そしたらそれに応じて電力会社とか
資源学者とかそういう人達が考えてですね
やるんですね 原発もそうなんですよ
私はね 原発反対派
反原発グループに分類されてるんですよ
マスメディアなんかでは
だけど僕は全然違うんですよ
私は原発は素晴らしいと思ってるんですね
だけども完全な原発じゃなくちゃ
やっちゃいけないっていう考えなんですよ
完全な原発 私が国の原子力安全委員の
専門委員だった時にね よく言ってたのが
今の原発は安全といえば安全だと
飛行機で言えば十回飛べば九回は墜落しない
だけど一回は墜落する
だから十回のうち九回は
安全に飛べれば安全だとも言えるし
十回に一回墜落するなら
乗らないっていうのもある
だけど私の考えでは自分の娘を十回に一回
墜落する飛行機に乗せるかっていうのは
私は乗せません
しかし乗せる人もいるかもしれない
だから安全に対する考え方っていうのは
人によってこう違うんだけど
私は十回に一回墜落する飛行機は
技術的に未完成だから
飛ばさない方がいいという考えですと
こう言ってたんですね
それで原発もそうで
原発が全然悪い訳じゃないんですよ
あれ非常に少量の燃料で非常に高い
高温の水を作りますからね
発電効率もいいし
ものすごくいいんですよ ただ危険なんですよ
危険が二つあって
一つは事故の可能性がまだ全然耐震性
特に耐震性ですね
耐震性とかそういうのがないんですよ
電源が止まった時の安全性とか
確保できないんですよね
これは福島原発で分かったわけですが
もう一つの大きな問題は
どうしても放射線の被曝と
健康の関係が分かんないんですよ
もちろん放射線っていうのは天然界にもありますし
別に人間っていうのは
放射線の中で生きてきたわけですから
放射線が完全な毒物だとも言えないんですけど
どのくらい被爆すると どのくらいの
病気になるかっていうのは分かんないんですよ
もちろんだから この前は
このブログでも説明しましたが
安全基準っていうのはないんですね
容認基準っていうのがあるだけで
つまり自動車と同じなんですね
自動車も交通事故で亡くなる方が五千人とか
怪我する方 八十万人とかおられるんですが
それでも自動車は走ってるんですよ
それは非常に便利だから少しぐらいの
怪我とか死人が出ても仕方ないって
これは容認限度なんですね
安全基準じゃないんです 容認基準なんですね
だけど原発の場合ね
これは個人個人によって違うんですけど
僕は別に石油系の燃料焚けばいいんだから
電気を起こすには
今のところ原発必要ないから
石油がなくなってきたらでいいじゃないかと
それで原発技術っていうのは
その安全技術以外はできてるんだから
今から安全技術をしっかりしてですね
石油とか石炭が不足してきた時に
使えばいいじゃないかという考えなんですよ 実は
石油は後 四千年ぐらい持ちますからね
石油系燃料っていうのは
四千年あればね
原発も安全なんじゃないかと
原発って一番初めに火が
原発に火が灯ったのは戦争中にですね
イタリアの科学者で
エンリコ・フェルミっていうのがいるんですけど
それがシカゴ大学で実験用原子炉を
最初に動かしたのが初めてですから
まだ八十年しか経ってないんですね
その間にチェルノブイリとか
福島原発が爆発してる訳ですから
なかなかまだ
完成した技術とは言えないんですよ
ですからあまり急がずに四千年と言わなくても
二百年・三百年と使ってです
研究してですね
それで石油系燃料がなくなってきたら
使えばいいんじゃないかと思うんですね
それからもちろん私は
地球が温暖化するなんて思ってないんですが
地球が温暖化するっていうことを
怖がってる人もいますね
しかしですね 地球が温暖化して
やっぱりこれも困ったことが起こってくる
今雨が激しいなんて全然
気象庁のデータを見れば分かるんですけど
雨が激しいことはありません
これは百年間のデータを気象庁が出してますから
温暖化によって今気候なんか変わってなくて
これはメディアがただ嘘をついてるだけですからね
割合と気候は今穏やかで安定した時期なんですよ
もちろんこの前長岡で大雪が降ったらですね
史上最高の積雪量なんて言ってたけど
これは嘘であることはすぐばれましたね
だから最近は気象庁も含めてですね
メディアも平気で嘘をつく時代なんで
そういうことをもとに
原発を見てはいけないっていうことですね
しかも原子力発電所の出すCO2ってのはですね
火力発電所とほとんど同じなんですよ
ただ今は規則で 政治的な理由で規則でですね
運転時に出るCO2だけを計算してるんですね
建設の時に出るCO2を
入れてないっていうことがあってですね
そういうペテンによって原発はCO2を出す量が
少ないと思ってる方多いんですけど
これは全然同じです 発電方法によらずに
同じなんで太陽光発電もそうですね
太陽光発電も原発も石油火力と
同じぐらいの温暖化ガス出しますからね
それもごまかされないように
自分の意見を作られる時は
まず自分が今困ってるか
将来は非常に難しいですからね
今自分が困ってるか それから
自分が社会の安全っていうことに対して
原発が自動車並みなら少しぐらいは冒険すると
だけど原発の代わりに
火力発電でやればいいんだからと思えばですね
そんなに急ぐことない
ここら辺の意見を固めとく方が
いちいち原発の中身の安全性を
考えるよりかはいいんじゃないかと私は思います

2022年3月28日

#武田邦彦先生

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