本日の収穫(3736文字)
先ほどですね
原発を考えるものの最後に十回にですね
じゃあ日本の一般国民は
何を原発について考えなきゃいけないのかって
いうことを話しておりまして
私昔から一つの疑問はですね
日本文化がこれヨーロッパ文化に
毒されたわけじゃないと思うんですが
日本文化っていうのは元々ですね 専門は
専門家に任せるっていう考え方なんですよ
やっぱり日本人はなかなか日本の中で
ごまかす人が少なかったんでしょうね
ですから その例で言ったのは
お寿司屋さんと棟梁だと
大工の棟梁さんには間取りは言わないと
これは私 大工の非常にこう
有名な棟梁さんと親しかったもんですから
色々その人と一緒に寺を
彼が建てた寺とかですね
それから民家を
回ったことが随分あるんですけれども
この前お亡くなりになりましたけど
その方はですね
日本の伝統に沿って その建物を建てる時に
住宅を建てる時ですね
その本人の家族計画とか
人生の希望とか
どういうような毎日を送れば
いいかっていうことを聞くんですね
それで間取りとか設備とか洋間にするか
和室にするか台所はどういう風にするか
それは棟梁が決めるんです
これは日本の文化なんですね
棟梁はじっくりと依頼する人の
人生が幸福になるように考え
それから彼は木を切りに行くんですよ
その住宅のその建てる人の人生に
沿った木を探しに行くんですね
棟梁の言うことですからね
有名な棟梁の言うことですから
なかなか飛び跳ねてるんですが
木曽の方に入っていくんですよ
それでそうするとですね
彼の言うにはこう木をこう回って
どの木を使うかって回ってると木の方から
自分がいいよって言ってくるっていうんですね
ちょっとまあ なかなか
近代科学では難しいんですが
いやこれはアフォーダンスっていって近代科学でも
そういう風なことを研究されているんですけどね
それでその木を切って
そしてずーっと自分と弟子でですね
かんなで削ったりのみでやったりして
作っていくんですね 部材を
それで最後組み上げるまで平済みしてるんですよ
それでそれは全く図面もないんですね
その彼の頭の中だけにあるんですよ
それで組み立てるんですね
それがいわゆる
血の通った建物ができるんですね
私はその棟梁さんと一緒にこう回るんで
建築主の方はゴマをするっていうか
棟梁さん毎日悪口言えないってこと
あるでしょうけども
みんな非常にこう気に入ってましたね
奥さんなんかに聞いても
いやこの台所使いやすいって言っておられましたよ
ですからやはり専門は専門に任せるっていう
日本の風習っていうのは悪くないんですね
それは寿司屋についても
ちょっとお話をその時したんですが
寿司屋の職人でちょっと威張ってるんですが
それはなぜかといったらですね
寿司屋つったら いらっしゃいっていってね
客が入ってくると
その客の顔色とか動く速度でですね
だいたい今日の状態が分かるんですね
それが修行するんですよ
どのぐらいお腹減ってるか
今日はちょっとくしゃくしゃしてるか
それとも機嫌良くいいのか
それでだから寿司屋に行くとですね
大将握ってくれとかってこう言うんですよ
そしたら大将が へい!とか言ってですね
握ってくれと言ってるのに
最初になんていうかな
刺し身が出る 造りが出る場合もあるし
それから最初から握ってくるものもあると
私なんかは 若干
握りの魚が好きなもんですからね
馴染みの寿司屋に行くと
何も言わなくてもちゃんと出てきますよ
それで時にはね
今日はこういうものが入ってますよとかね
今日はタコから行きますかとかって
いうことは言いますけど
せいぜいそんなもんなんですよ
ヨーロッパは違うんですね
ヨーロッパはステーキだったらステーキ頼む時に
百五十グラムなのか百三十グラムなのか
焼き方はレアなのか
ウェルダンなのか全部聞いて
そしてそれに合わせて作るという
そういう専門性なんですね
日本流で言えばですね シェフに今日は
うまい肉がちょっと食いたいんだけどねと
そういうことを言えばですね
その人の顔色とかそういうの見て
今日はレアがいいのか
ウェルダンがいいのかですね
それも考えるっていうそれが日本式なんですね
これは全てにおいてそうなんです
これは信頼できる社会がまず
構築されてるってことでしょうね
ですから例えば私一回
東向島の芸者の入る接待用のところですね
によく僕のファンの人が
連れてってくれたことあるんですけども
そこで非常に面白い経験をしました
それはですね
ある時にどうも変だなと思ったのは帰りがけの
僕の酔い方がですね
お酒の酔い方がいつも一定なんですよ
飲み過ぎもしないし飲み足りなくもない
そっから車で帰る時に車に乗って
後ろの座席に座るとですね
いつも気持ちいいんですね
変だなーと思ってですね
その後芸者さんの注ぐの
仲居さんもそうなんですが
仲居さんも芸者さんもですね
注ぎ方を見てると
僕の体調が悪いとあまり注がないんですよ
それで体調がいいとどんどん注ぐんですね
ですからヨーロッパ風のっていうか
銀座のクラブなんかはですね
できるだけウイスキーを
消費させようと思って注ぐんです
ところが日本の
ああいう接待のところはですね
お客さんがいつも気持ちよく
帰ってくれるように注ぐんですよ
それはもう接客のレベルっていうのは
全然違うってことですよね
そういう高級なね旅館は別に
お酒の代金がどうだってことないんですよ
だから徹底的にそのー
それはおかみさんが聞いたんですよ
どうもそういう感じがするけどって言ったら
そこのおかみさんは
芸者の一番大切なことは客が気持ちよく
帰ってくれるっていうことだと
だからお酒の飲めない方もいれば
体調の悪い時もある不機嫌の時もある
それに合わせて帰る時はいつも
あー気持ちいいなと思って帰ってもらう
修行をするんだって言うんですね
ほう凄いなあー
銀座のクラブなんていうのは
威張ってるけど大したことないんだなと
思ったことあるんですね
この話をしたのは実は 原発とか
それから電力エネルギーそれから環境と
こういう難しい問題ですね これをですね
多くの人が知ろうとするんですよ 中身を
原発なんかいい例なんですけどね
例えば太陽光なんかも考えますとね
太陽光発電がもし非常に良ければ
当然電力会社は太陽光発電をやるんですよ
太陽光発電って危険はないですからね
だから電力会社としては土地も持ってるし
山奥に太陽光発電をして
そこから電線
高圧電線で引いてくればいいわけですよ
まあ太陽光はあまり高圧でませんが
電線で引いてくればいいわけですね
ところが全くやらない 何でかっていったら
採算に合わないないからなんですよ
採算に合わないってことは
エネルギーを多く使うってことなんですね
原発もですね 約五兆円の売り上げに対して
国が五千億円出してるんですよ 大体
10パーセント補助を貰えばですね
どんな商売でもできる
これをお聞きの人が
ご商売やってたらすぐ分かりますよね
それは飲食店でもですね
洋服を売るとこでも一着売れば
国からその一着の値段の一割が出ればですね
大体商売って何やっても儲かるわけですよ
だって儲けの範囲って
大体一割の中に入ってるわけですからね
10パーセント儲けるって
非常に大変ですからね
だからそういう意味では
実はですね 我々はあまり原発がいいかとか
太陽光発電がいいかとか
考える必要ないんですよ
ただそれには
世の中が信頼感があるっていうことと
補助金がなくてそれぞれの人が
それぞれの方針でやれば
原子力発電所はなくなってしまいます
国からの補助金がなければ
原発はやらないですよ 電力会社はですね
太陽光発電もやりません
石油を石油系の燃料を使って当面やりますよ
それで石油系燃料がじゃあ
なくなってしまったら困るじゃないかって言うけど
いやいやそれはもうね
我々よりが電力会社の方が困りますよ
我々は電気は何かで調達作れますね 政府が
だけども電力会社は
自分のとこつぶれちゃいますからね
ですから補助金なしで
自分の判断でやれということになりますとね
我々が考える必要ない 我々が希望するのは
安い電気をよこしてくれってことになるんですね
それには例えば戦前がそうでした
戦前はですね 一時一番多い時は
電力会社の数って七百ぐらいもあったんですよ
六百八十だったかもしれませんが
そのぐらいあるんです 会社が
どこからも電気買えるんですね
だから安いところの電気を買えばいい訳ですよ
同じ電気なんてのは百ボルトで来れば
みんな同じですからね 品質は
ちょっと停電が多いとか
そういうことがあるだけですからね
ですから補助金なし自由競争原理で
やってですね お役所は何をやるとか
それをチェックする必要があるんですね
ちょっと今これ
また話が拡大するんで言いませんが
水道の民営化なんかそうなんですけど
その水道事業自信をお役所がやるって
やっぱり曲がるんですよ
今みたいに下水を飲まされるんですよ
だけどチェックをするのは
お役人は得意なんですね
ですから一般国民は希望を言い役所は
チェックをする
その中で自由競争で
やるっていうシステムになればですね
非常にいいんじゃないか
しかし今はもう電力にしても原発にしても
太陽エネルギーにしてもみんなね
だまされるんですよ
専門家私なんかも専門家ですが
専門家から見ると
素人騙すほど簡単なことってないんですね
これに引っ掛かってるもんですから
皆さんも是非ね
希望をはっきりするということの方が
原発についてもエネルギーについても
大切なことじゃないかという風に思います
2022年2月29日
#武田邦彦 先生
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