本日の収穫(3654文字)
日本人の特性を生かしてですね
日本人がこれからも
技術立国で行くということはですね
まぁいいんじゃないかと思うんですね
政策として なぜかって言いますと
やはり日本人はちょっと商売としてはですね
ずる賢くないっていうか
嘘がつけないっていうかですね
だから長い間で
地味な商売はいいんですけども
ビジネスだけでやるってことになりますとね
やっぱり冷酷な人たちがいるんですよ
それまぁアングロサクソンを中心としたですね
嘘をいくらでもつくと
それから企画なんか作っちゃってですね
それで世界を席巻するとか
それから金融システムを作るとか
こういうのはアングロサクソン ユダヤ人には
ちょっと日本人はやっぱり敵わないんですね
中国人も結構ビジネスは上手いんですよ
それから決断力がありましてね
それで決断力の必要な技術分野では
やっぱり日本は駄目なんですね
例えばその一番大きいのが化学産業ですね
組み立て産業っていうのは
あまり規模っていうのは関係ないんですが
化学産業っていうのは
もう規模だけで決まるところあるんですね
ですから日本の経営者っていうのはですね
年産で五万トンとか十万トンぐらいの
工場をつくるのはいいんですが
五十万トン百万トンっていうのは
どさっとつくるとなるとですね
これは中国人 ヨーロッパ人
アメリカ人に敵わないんですよ
それで化学工業が日本で
もう一つ世界一になれないのは
規模の産業だからなんですね
だからIT関係のITの技術っていってもですね
技術をつくるのは日本人は上手いんですけれども
DRAMこれはまぁ
産業の米と言われるんですけども
DRAMなんかみたいに
量的なものが問題になるとですね
日本は台湾にも勝てないんですよ
台湾ってのは基本的に中国人なんで
中国人ヨーロッパ人
アメリカ人にはやっぱり敵わないんですね
ですから日本の場合 やはりですね
日本の技術立国っていうのは
規模だとかビジネスとか
システムとかいうんじゃなくて
技術そのもので勝負できる
っていうもんだったらですね
日本は世界で一位になれるんですね
それから芸術も日本の芸術っていいんですけどね
若干平面的なんですね
その意味で世界に
衝撃を与えるということはできるんですが
芸術自体で世界を制覇するっていうのは
やっぱり難しいんですね
ですからまぁ 漫画のようにですね
技術がかなり先に立つ者は
日本はかなり良いということは言えるんですね
その意味では やはり日本の場合はですね
技術そのものが勝負を決めるようなところで
やっぱりそこに力を注ぐっていうことですね
ですからDRAMは負けまして
化学産業も負けて
量的な関係で一番勝ったのは
やっぱり鉄鋼産業なんですけども
鉄鋼産業が勝ったのは
オーストリアのLD法の導入の時に
日本の技術のレベルが
ちょうどいいところにあったっていう
まぁちょっと偶然がありましてね
それから鉄鋼技術っていうのは
非常に技術自体が重要なんですよ
大規模技術のように見えて
ノウハウだとか細かい技術が
極めて勝敗に影響を与えるような生産なんですね
その意味で鉄鋼・自動車・電子産業
っていうところが日本の中心的になってきた
それで化学産業みたいに
比較的量的な関係が重要なものは
技術としては駄目なんですね
こういったものをこれまで
政策として自民党が議論してきた時はですね
何でも先行すれば良かったという
高度成長時代は別にしてですね
やはり1980年ぐらいから
やっぱり自民党の政策では上手くいかなかった
これは自民党が悪いというよりかですね
政策を立案するのが官僚だったり
それから経営者だったりしたんですね
やっぱり技術は技術者のトップ
技術者のコーナーに名を遂げた人のアドバイスで
国の政策をやらなきゃいけない
ということなんですね
原則が二つありまして
一つは六十年 技術は六十年なんですね
これはもう どうしても仕方ないんですよ
技術というものはですね
リニューアルしてきますから
世界である技術が成立して
その技術が世界で繁栄のもとになるのは
大体六十年なんですね
六十年もですね
最初の三十年が先進国が利益が上がって
残りの三十年は開発途上国が
利益が上がるって感じなんですね
例えば最近色々な問題になった
尿素なんていうのはですね
これはまぁ昔日本がですね
昭和の初めに活躍した分野なんですね
ですから今ではもう尿素の製造っていうのはもう
開発途上国でやってるわけですね
ですから尿素不足は
何で起こったかっていうやつ
開発途上国の生産が止まったからだと
こういう風になるんですね
これは昔だったら昭和電工とかですね
まぁそういった古いところがですね
日本の古い化学技術がやったところなんですね
ですからこの六十年というのは
よーく わかってて
やっていかなければいけない
だからまぁ六十年が八十年に
なったりすることあるんですが
アメリカの自動車産業もですね
やっぱり六十年ぐらいたちますとね
なかなか国際競争力には勝てなくなるわけです
だから技術は古びていくと
だから技術政策っていうのはですね
常に新しいものに
向かっていかなきゃいけないんですね
ところが難しいのは
例えばIT技術 IT技術ってのは
IT技術のハード方の
初期的なものは日本が大成功を収めましてね
1980年代
80年代非常に良かったんですが
90年に変な環境なんていう
問題が出てきてですね
ITが潰れてしまって
1995年頃に ITソフトはアメリカですね
GAFAと言われるグーグルとかアマゾンだとか
アップルなんかがフェイスブック
っていうようなところが栄える
ITハードは中国がやって日本は全部蹴落とされる
っていうようになったわけですね
これは政策の間違い
大きな政策の間違いで
環境運動家っていうのは
非常に反省してもらわなきゃならない
架空の事を言ったら
国は駄目になるっていう一つの例ですね
ところが今間違えそうになっているのが
ものづくりというのに
日本の技術が優れているということじゃ
ないんですよ 実はこれ難しいんです
日本はものづくりなんですが
ものづくりっていうのは
ハードとソフトと両面あるんですね
これは奈良の大仏でもそうですし
鉄砲技術もそうですし
それから日露戦争もそうなんですね
それから
ジャパン・アズ・ナンバーワンもそうなんです
ものづくりっていうのはその中身がですね
本当にものづくりという言葉がなんかこう
トンテンカン トンテンカン
こう鍛冶屋が叩くような感じがするつったら
駄目なんですよ ですからITがそうですね
ITの非常に線幅の小さい複雑なものと
それを動かすソフトですね
これが相まっていいんですよ
それで このものづくりの
そのソフトとハードをプラスしたやつに
優れているのが日本の男性なんです
日本の男性はね
機械電気設計が強いんですよ
設計ってのはソフトですけどね
この機械電気設計が強いってことは
どういうことかって言ってると
ITですとソフトとハードなんですね
これをものづくりという言葉に騙されてですね
日本の中小企業が手先の勝負っていうのは
やっぱりこれからは全く駄目です
やっぱり自動機械なんかを使った
例えば 典型的には
例えば自動運転自動車これはソフトの塊
みたいなもんで むしろハードじゃないんですよね
ハードはモーターが付いてて
モーター制御装置が付いてて
小さな車が付くわけですから
これはハードというよりかソフトなんですね
今の車はハードそのものですね
ディファレンシャルギアなり
衝突防止フレームといったですね
ハードそのものなんですね
ただこれが電気自動車になり
かつ全自動運転になりますとソフトになりますが
これはハードの分類に入る
ソフトなんですよ 難しいんですけど
だからこれをものづくりと言ったらいけないんです
中小企業ものづくりという概念に
捉われているといけません
日本の中小企業は非常に優れているので
大企業重視じゃなくて
中小企業重視で行かなきゃいけないんですが
そのいわゆるITのソフトは
ものづくりの中に入ってるっていうことなんです
だからものづくりと言っちゃいけないですね
なんか こうちょっと
違う言葉を使わなきゃいけない
新技術づくりって言ったらいいんですかね
何かそういうものに変えないと間違えます
つまり単なる技術立国でも
大雑把にやっちゃいけないってことですね
これからの技術政策は六十年の問題と
ソフト・ハードの融合の問題
この二つに重点を置いて よーくよく検討する
つまり政策の三段階ですね
まず最初は
研究会を十分にやるっていうことですね
オープンな研究会を十分にやる
そして具体的な政策を立案する時には
今までのような審議会だとか
いわゆる偉い人を呼ぶんじゃなくて
本当に実力のある人を呼ぶ
そしてそれの実態を担う人が
中小企業を中心とした技術を作っていく
この三つがですね 日本の技術立国を成功させる
政策であるということが言えますね
ただ今ですね 3Kはいけないとか
明治時代はですね
日本が技術立国で行かなきゃいけないってことは
はっきりわかってましたので
大学を卒業して
技術に行った人は 事務屋さんよりか
平均給与が十パーセント高いように
国が設定しました
そういう政策
そういうのが政策というものであって
日本を成功に導く政策を
取らなければいけないということであります
2022年2月6日 (ヒバリクラブ)
#武田邦彦 先生
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