2022/04/01

科学的哲学的論考 ▶原発講座(8)健康 被ばく限度のウソ  メディアのウソ  原子力のウソ (武田邦彦先生)


本日の収穫(3890文字) 

表紙には被爆限度の嘘 メディアの嘘
原子力の嘘と こういう様に書きましたけど
嘘という言葉は嫌ですね
語感も嫌だし なんか
言ってはいけないことのように思いますね
しかし世界で日本はですね
江戸時代の末期までっていうか
明治の終わりまでっていってもいいですかね
嘘はほとんどなかったんですよ
これはですね 当時の小説なんかを
読むと本当によく分かるのは
みんなが人の言うことをそのまま信じて
ちゃんと上手くいってたんですね
っていうのは人が言う時に嘘をついちゃいけない
という意識が強かったんですね
これは今でも世界の他の民族に比べれば
圧倒的に日本人は嘘が少ないんですけども
それでも本当に平気で
嘘をつくっていうとこまで行ってないんですよ
ヨーロッパなんかどっちかっていったら
平気で嘘をつくんですね
だけど日本人は平気では嘘をつかない
嘘を隠すっていう段階ですね
だからまず嘘をつかないっていう段階があって
その次に嘘は悪いことだと思っているので
隠すということですね
それから三番目が嘘を割合平気で言うっていう
その三段階がある訳ですね
アメリカなんかで道を聞いて
あーそれはこう行ってこう行って
こう行ってって教えてくれるので
その通り行くと全く違うと
しばらく生活してるとアメリカ人ってのは
そういうの嘘言うのは平気なんですね
要するに物事が進めばいい
嘘は構わないっていうのがアメリカ人の考え方ですね
ヨーロッパもややそういうところあるんですね
日本人はそうじゃないんですよ
知らなかったら
いやちょっとその場所は知りませんので
他の人に聞いてくださいっていうのが
日本人なんですね
それで随分違うんですよ
だけど原発については
嘘が山ほどあるわけですよ
だからもう日本文化ではないんですよね
それをちょっと具体的に列挙しますと
まず被爆限度の嘘ですね
これはものすごくはっきりしてましたね
被爆は一年一ミリシーベルトって
決まってるんですよ
事故の時には
少し増やしてもいいという議論はありました
それから安全委員会でも一時被爆の時は
一年五ミリシーベルトまではっていう
規則を決めようとして
これはもうちょっと文章にもなってるんですが
多分公式には認められない段階で終わってる
つまりそれはどうしてかっていうと
事故の時には
一年五ミリシーベルトぐらい被爆するけど
そんなこと言ったら
原子力反対運動に火をつけるので
言わないとこうってそういう嘘ですね
実際には二十ミリシーベルトまでいいとかね
それから酷い人は百ミリシーベルトだ
私は週刊新潮にですね
別の新しい記事を出してほしいと思うんですが
週刊新潮は事故のある程度経った時に
二三か月かな?経った時に
半年ぐらいかもしれませんが
一年一ミリシーベルト男 武田邦彦っていう
四ページあの発行部数の多い週刊新潮で
四ページも割いてですね
一年一ミリシーベルトって嘘を
武田が言ってるっていう記事を書いたんですよ
あの為にかなりの人が
余計な被曝をしたでしょうね
なんでそういう記事を そういう嘘を書いたのか
一年一ミリシーベルトしかないんですからね
我々が世界のどこからでも水でも何でも
輸入して牛肉でも輸入して食べてるのは
一年一ミリシーベルトの
限度を超えない食料品だからなんですね
これ食料品ばかりじゃなくて自動車であれ
機械であれ全部そういう規制になってるわけですね
事故の時はどのくらいっていうのは
まだ定まってないんですが
普通の時は一年一ミリシーベルトなんですよ
ですからああいう そういう事故の時に
いくらって決まってない時に
まず一年一ミリシーベルトっていうのから
スタートしないとですね
よく安全安心って言いますけども
安心というのはですね
安全の基準がちゃんと守られてる時に
安心が来るっていうんであって
最近政治家の言う安全安心って
聞いてますとね 完全にならないので
騙して安心にするっていう
そういうのに使われてますね
週刊新潮にお願いしたいのはその時
なんかの加減で間違ったんでしょうから
一年一ミリシーベルト男 武田邦彦っていうのは
不適切であったという記事をですね
やはり四ページぐらいで書いてもらった方が
日本のためになりますね
これからの原子力発電所が
安全になるっていうことが大切です
週刊新潮は何のために
週刊誌を発行してるかっていったら
日本の発展のために発行してるわけですから
積極的にやってほしいですね
それからNHKもそうですね
私これは何回か警告してるんですけど
本とかそういうので警告してるんですが
NHKはですね
午後の四時か四時半のニュースの時にはですね
一号機が爆発しましてそれで発電所境界の
放射線量が非常に上がった時に
確か僕その放送を持ってますので
いつでも出せるんですけど
確か四万倍とか規制の何万倍って言ってですね
この時には一年一ミリシーベルトが
限度なのでって言ってるんですよ
それから一時間半か二時間後の
六時のニュースの時にはですね
それ一切言わなくなったんですね
その間に政治的な判断が
あったっていうか政治っていうのは
嘘をつくのを政治って最近言うんですけどね
政治的判断と言ったら
嘘をつくってことなんですけど
別に政治的判断嘘をつかなくていいんですよ
政治的判断っていうのは本当のことを言って
どうするっていうのを言うのが政治的判断であって
この頃は政治的判断で嘘をつくっていうね
この前のなんか流行病のなんかもそうですね
嘘をついておりました
だから被爆限度についていくらでも
嘘をついてもう嘘をつきすぎたので
今の現在の日本の被爆限度っていうのが
いくらになってるか分かんないんですよ
これは安全限度じゃありません
受忍限度ですけどね この前お話しました
だからこれははっきりしないと
今動いてる原子力発電所が安全ですっていったって
被爆限度が一年一ミリシーベルト
否定しましたんでね 福島の時に
それを復活したらまた色々もう
ものすごく保障問題が出てくるでしょうし
にっちもさっちも行ってないわけですね
それからメディアの嘘っていうので
一番大きいのは主力全国紙
それからマスコミのですね 記者がですね
事故が起こって一週間か二週間後に
全員福島から引き揚げて
三か月後か四か月後に福島に戻ると
つまり福島の被曝が危険であると言われたので
メディアは慎重を期して自分たちの
社員をですね 福島から引き揚げた
一方 その一方ですね 新聞とかテレビでは
福島に住んでても大丈夫ですよって
放送をしたっていう
これは一番巨大ですね もちろん
それから先ほど言いましたように
NHKがその日はその日の途中までは
一年一ミリシーベルトって言ってたのを
一時間半か二時間後に変えたと
それからその当時私は東大の教授を
随分批判してたんですね
東大の教授ともあろうものが
テレビに出て色々な嘘を言ってると
不適切だと 多重防御にしても
固有安全性にしてもですね
被爆限度にしても
そしたら東京大学の先生方二十人ぐらいかな
原子力に関係する先生方が声明出しましたね
我々はテレビにもう出ません
そこではっきりと嘘をついたからとは
書いてないんですけど
やっぱり東大の先生ぐらいの
訓練を受けてない あんまり信念のない
学問だけができて純情な人もいますけどね
やっぱりあれだけ僕は見てて
みんな僕の後輩でしたから
何だこれどういうことかと
全然科学者としての倫理観もないなーと思って
いやNHKがどんなに嘘つく
それから政府が
どんな嘘をつくっていうことはあるんですよ
それはあるんですね 世の中ですから
だけどどんなに社会が嘘ついても
科学者は嘘ついちゃいけないんですよ
それから原子力の嘘っていうのを
三番目に書きましたが
これは実は原子力に
そういう風土があったんですね
日本社会が嘘をついて
それを隠すという文化になってきたので
それにつられて
原子力も嘘をつくようになりました
私が原子力の所長やってる時は
いくらでも嘘がありました
じゃあ僕のとこじゃなくて 見てますとね
原子力の情報が入ってくるんですけど
ここでまた嘘ついてるな
ここでまた嘘をついてる
ほとんどはですね
実施者つまり責任者ですね
責任者に覚悟がないんですよ
やっぱり原子力くらいのでかいことをやりますとね
やっぱり普段から俺の人生はもう
戦艦大和の艦長ってあの頃言ってたんですけど
戦艦大和の艦長のような
覚悟のある状態じゃないとですね
やっぱり普通の人がなかなか昔で言えば
なんかあれば俺は腹切るよというぐらいの
覚悟がないとですね
原子力の仕事ってできないんですよね
ですからこの嘘っていうのは
原子力の嘘っていうのは
現在の日本人の指導者の覚悟がですね
足りないということなんですよ
いずれにしても理由とか色々あるんですが
被爆限度は嘘はつくは
もちろん爆発の原因も嘘をつく
被爆限度も嘘をつく
メディアは自分の行動に嘘をつく
それから放送内容に嘘をつく
それで全員で嘘をつくと
原子力学会もやや嘘をつくと
あなた方は何を目的に仕事してるんですかって
言いたくなっちゃうんですね
私は原子力の技術的な
不十分のは直して進歩させて
やがて原子力も使えるようになった方が
いいと思ってるんですよ
その意味で僕は反原発では全然ないんですよ
いやそういうの反原発って言うんですかね
別に原子力に反対してるんじゃなくて
その安全な原子力じゃなくちゃいけないと
それ当たり前じゃないかと思うんですけどね
新幹線は非常にいいと
だけど新幹線がひっくり返るようじゃ駄目だと
それを反新幹線っていうんですかね
僕はそんなことないと思うんですよ
どんな技術でも未熟な時には控える
その未熟であるかどうかが分かるのは専門家だから
専門家は技術が未熟であれば勇気を持って
今はまだ技術が未熟で
危険だから控えた方がいいと
使用を控えた方がいいって言ったら
それは反技術になるんですかね
そんなことは私はないと思いますね

2022年3月26日

#武田邦彦 先生

2022/03/31

【炉端の話】人間の体は民主主義!? (武田邦彦先生)



本日の収穫(3816文字)  

今日はちょっと変わった話をさせていただきますが
人間の体は民主主義っていうんでですね
人間の体は一体民主主義なのかどうかと
これは政治の形態が民主主義であるべきか
独裁主義であるべきか
基本的には民主主義と独裁主義ですよね
今の中国が独裁主義
今のアメリカがほぼ独裁主義
今のロシアもほぼ独裁主義ですね
日本もほぼ独裁主義なんですね
じゃあ独裁主義と民主主義これを人間の体で示すと
どういう区別になるかっていうとですね
頭がこれが正しいとか
これをするとかいうことを決めて
体がそれに従うというのがこれ独裁主義ですね
頭なんていうのは
人間の一番上の方にあってですね
別に何か考えることができたって
歩くこともできないし
ご飯食べることもできないし
生きていくこともできないわけですから
司令塔みたいなもんですからね
これが威張っちゃいけないわけですよ
ところがですね そういう風に
学校で教えてるっていうこともあるんですが
人間の体は脳が判断して
大脳が判断してっていうのがいるんですよ
それで脳科学の人なんかもですね
その凄く教条主義ですからね 独裁的なんですよ
脳科学の人が独裁的であるっていうのは
もう僕は会ってもそう思うんですね
話してもそう思うんですよ
それはどうしてかっていったら
脳が独裁主義だからなんですね
僕はどっちかっていったら
体が人間の行動を支配してると思ってるもんですから
ですから徹底した民主主義者でもあるし
民主主義が一番いいと
こういうように思ってるわけですね
どうしても人間はですね 脳で
今日例えば昼になったらラーメンが食べたくなる
ラーメン食べたくなるっていうのは
脳がラーメンを食べようと思うからだと
いう風に錯覚してるわけですね
これは学問はですね
浅く学んだ人っていうのは大体そうなんですよ
どうしてかっていうと確かに脳が
ラーメン食べに行こうという風に言って
ラーメン食べに行くわけですからね
その意思っていうのがさ
人間の意思っていうのは
脳が決めてるっていう風に思っちゃうんですよ
しかしそれはですね
学問的には恐らく違うんです
なぜかっていうとですね 脳がこれはだから
養老先生のバカの壁って言うと
ちょっと言い過ぎなんですが
脳が命令してるんですよ
もちろんラーメン食べに行こうって
命令してるんですけども
よくよく学問をやりますとね 学問っていうのは
そういうことを教えてるんじゃないですね
脳がラーメン食べに行こうという風に
決めたのはどこかっていう
もう一つ奥まで考えるのが
これ学問なんですね
じゃあ昼近くなりますね 11時半頃になりますよ
今日ラーメン何食べようかなと思うでしょう
そうするとですね
脳は別に何食べたっていいんですよ
だって脳は消化もしないし何もしないんですから
運動もしないわけですから
そうすると体の方でですね
ラーメン食べたくなるところが
なきゃいけないんですよ
それは舌 味を味合うを舌なのか
消化を司る胃なのか
それとも栄養を吸収する腸なのか
それとも それの結果その筋肉を使う
手足とかそういうとこなのか
それとも感情を司る心なのかって
こういう問題にまずなるわけです
それ考えなかったら何のために人間の意思を
研究しているかどうか分からないですよね
最近 最近っていうか
ずっと昔からの研究を見ますとね
やはり体はどうも民主主義ですね
体が要求するとかよく言うじゃないですか
体が求めるとか
例えば喉が渇くなんか全くそうですよね
喉が渇くっていうのは
別に喉が渇くっていう表現で言ってるだけで
喉が渇いてるんじゃないんですよ
体全体に水分が不足すると
それを喉の神経の方に移して
喉が渇いてるように感じるわけですね
脳が別に命令してる訳じゃないんですよ
喉が渇いたという状態は
我々は喉から知るんですね
喉が渇いてるよということを
頭が判断するっていうだけなんですよ 最後に
喉が渇くのは
体の各細胞の水分率が下がるからなんですよ
それで各細胞から水を送ってくれ
水を送ってくれって言ってくるんですよ
もしくは血液の水分量が減るので
それでもう少し水分を要求してくれって
喉に言うんですよ 喉にですね
喉に言うか頭で言うかってのはこれ
議論があって細かいことを問題にする
細かいことを問題にして
大きなことを考えない人は
こういう時にね 自分が
あ!しまった あそこを考えてなかったなつって
慌てて それを調べるんじゃなくて
そう言ってる人を非難するっていう風に
いきますからね 人間は
いずれにしても喉が渇く
そして脳が水を飲もうと思って一応脳にこう
あなたの体が水を要求してるからちゃんと
そこのとこやってねっていうのが喉なんですよ
脳が あ!そうか
それじゃあ あそこにいって
水道の栓を開けるかとか
ここの水道は臭いからなーちょっと
臭いからということも多分細胞からなんですが
どっかに行ってお湯を沸かして
それを冷やしてから飲もうとかね
そういうこと考えるわけですね
全てそう さっきのラーメンもそうですね
どういう栄養が欲しいかっていうのを
各細胞から希望がいってですね
胃だかそこら辺にいってですね
それで胃とか 舌が舌かな?
舌が今日は
ラーメン食べたいなっていうことになるんですよ
それで11時45分ぐらいになると
その人の頭が今日はラーメン食べに
行こうってことになって それで言語を使って
おい!一緒にラーメンを食べに
行かないかってこういうことになる訳ですね
ラーメンを食べようという意思が
頭から浮かんでくることはないんですよ
それはお寿司でも和食でも
肉が食いてえなっていうのも同じですね
それと一緒ですね 行動も
行動もそうですし
それから寝る時の寝れるか
どうかっていうのもそうですね
もちろん寝れるかどうかなんてのは
もちろん体であって
よく寝れる方法っていって
この前読者の方からご紹介いただいて
ちょっと試しにやってるんですが
顔の筋肉から緊張させて緩める
今度は腕の筋肉を緊張させて緩めるっていう風に
やっていくと五分以内に寝れると
つまり寝るというのは
脳が寝ようとして寝るんじゃなくて
体が眠たいという状態を
作るっていうことなんですね
体が眠たいという状態を作る
だから人間の体が民主主義なんですよ
つまりボトムアップなんです
脳が指令して我々は人生を送ってる訳じゃなくて
ボトムアップ
つまり体の細胞とか そういうのが
これも慶応大学の前野先生なんかは
小人 体の中の小人と言ってますけどね
小人と言っても細胞と言っても
同じなんですけども
細胞っていうと ちょっと細胞じゃなくて
神経も神経細胞ですけどね
そういう意味で細胞っていうのが
一番科学的かもしれませんね
小人って言ってももちろんいいんですよ
体の中にある小人がこうしようという風に
決めたらこうなる訳ですね
それで細胞同士も
もちろん連絡しているわけです
これは私の言葉で言えば絡合なんですね
多細胞生物っていうのはですね
一つ一つの細胞が独立してるんですよ
これ日本と同じなんですよ
一人一人の国民が独立してるんですよ
国民の欲することをやるのが政治なんですね
ですから当然民主主義なんですよ
民主主義じゃない形っていうのは
一応考えられないんですね
ソ連ですね ソビエト連邦が
あった時の共産党っていうのは
再興?とかいっちゃってですね 一個一個を
あたかも民主主義の形を取ろうとしてました
現在北朝鮮人民民主主義共和国って
いうんでけど民主主義ですよね
中国も中国共産主義人民共和国かなんか
民主主義が付いてるんですよ
だけど民主主義じゃないですよ
だってトップの人が独裁で決めるんですから
これは独裁主義って言った方がいいんですよ
それは別に独裁主義は恥ずかしくないですよ
独裁主義っていうのと
民主主義と二つあるだけで
しかし何で朝鮮民主主義共和国っていうか
人民民主主義共和国っていうかっていうと
自分たちが独裁主義だから
それを民主主義っていう
言葉で隠してるっていうだけでは
僕は人間は隠さない方がいいと思いますよ
そのままですね いったがいいと思います
ここで言いたいのは
人間の体は民主主義だっていうことなんですよ
だから民主主義ってやっぱり本質的なんですね
それを汲み上げる力ですよ
僕が体壊したのは反民主主義だからですよ
つまり私ね 一か月入院して何も食べなかったらね
体が少し変わっちゃってですね
今まで何してもあんまり感じなかったんですよ
油のものすごくばっかの牛肉食っても
みんなが気持ち悪いっていうのに
僕はあんまり気持ち悪くないし
つまり感度が鈍かったんです
つまり体の状態を
自分で感じることができなかったので
脳が支配する通りに行動してたら
病気になっちゃったっていうことなんですね
女性の人は民主主義ですから みんな
自分の体に聞いて体が欲してるものを食べてますね
それから注意もしてますよ
だからこれからの今も
中国も民主主義じゃないでしょう 独裁主義
アメリカも独裁主義
ロシアも独裁主義ですからね
主要国は全部独裁主義ですから
独裁主義から民主主義に変わるのは
やっぱり人間の体を
よく理解することじゃないですかね
ですからここで炉端の話で
人間の体は民主主義
自分の意思があるわけじゃないんですよ
前野先生の話だったら
体の中の小人が命令したように
頭が調整しているだけっていうわけですね
これはアフォーダンス
ギブソンのアフォーダンスとかですね
そういうものでよく示されていますが
日本人は日本人の歴史的な背景で
遺伝子とアフォーダンス
外的影響によるその人の意思決定の
システムっていうのがありますからね
それに基づいてやってるっていうことで
これはなかなか考えて役に立つし
また自分が幸福かどうかっていうことにも
大きく関係すると思います

2022年3月25日

#武田邦彦 先生

2022/03/30

科学的哲学的論考 ▶原発講座(7)健康  被ばくに「安全」はない  社会の容認限度だけ (武田邦彦先生)



本日の収穫(3677文字) 

専門的に言えばというか
原子力発電所の安全性ということはですね
今多重防御と固有安全性の
この極めて大切な二つだけをやりましたが
それ以外に取水ポンプの問題であるとかですね
それから今度のことで分かりましたけど
地震による建物の亀裂の発生とかですね
いっぱい付随的なものがありまして
それらを全部議論しなきゃいけないんですが
それは本当にこういっぱい議論することが
あるということを頭に入れていただいて
ここでは少し足速く進んでですね
それで原発講座の七として
健康に関することに少し触れてみたいと思います
まず第一にですね 非常に重要なことは
被曝には安全ということはないんですよね
別にこれは隠しても何でもないんです
それで私が反原発 私反原発じゃないんですよ
私反原発じゃなくて
そういうレッテルを貼らないでほしいんですが
被爆には安全はないんですよ
それはどうしてかっていうとですね
安全である限度を調べようと思って
随分研究したんですね
メガマウス計画っていう
百万匹のマウスを動物実験で使ったりして
これは動物愛護からいったら
非常に問題なんですが
何しろ安全性をはっきりさせろ
はっきりさせろっていうことでですね
反原発運動が起こってるもんですから
それに答えなきゃいけないということで
百万匹のマウスを使った
被爆実験っていうのをやったんですね
みんなものすごくマウスは苦しんで
死んでいったわけですが
人間本位にやれと
こういう人間本位っていうのは
皆さんが言ってる自然との調和っていうのと
どういう風に関係するのかなと
僕なんか思うんですが 人間だから
しょうがないということに今なってるんですね
その結果ですね 結局被爆の安全限界っていうのを
決めることができなかったんですよ
これも変な話なんですね
私はたばこは肺がんの原因ではないんじゃないかって
いうことで随分疑問を述べているんですが
被爆とかたばこってちょっと似てるんですよね
自然界にもあるんです
たばこも自然界に幾らでもあるんですよ煙ですからね
煙に対するみんなの
嫌悪感っていうのは凄く強くて
なんか今度のたばこの追放運動っていうのは
人間の持ってる煙に対する嫌悪感が
出たんじゃないかと思うんですが
被爆もそうでですね
自然界に放射線はいくらでもあるんですね
もちろん太陽からも来ますし それから
土の中にも被爆する放射性元素ありますしね
それからさらに地殻の中っていうかですね
その地球の奥の方にはいくらでもありますから
だから自然放射線っていうのは
いっぱいあるんですね
極端な例を挙げますとオクロの自然原子炉って
いうのがアフリカにありましてね
ウランがこう溜まってるところがあるんですね
そこで自然に減速材なんかが土とか
そういうのが働いてですね
十七億年ぐらいの永きにわたって
原子炉として熱を出してたっていう
ところもあるんですよ
だからつまり地上には放射線もありますしね
放射線っていうのは
波長が長くなれば紫外線になり
可視光になりってなる訳ですから
もちろんそういうのが細胞に
人間の細胞に影響を及ぼすことあるんですね
ですから自然界と同じぐらいだったら
いいだろうっていうことで
安全基準っていうのを決められるんじゃないかと
いう風に思ってたわけですね
これは広島長崎なんかと同じように
ずっと長い問題で随分やられたんですね
それから実際に人間に事故だとか
広島長崎とか事故とかそういうので
大体こう患者さんが出てきます
患者さんはもちろん出てくるんですよ
甲状腺癌なんかが一番典型ですが
心臓にセシウムが溜まって
心筋に影響を及ぼしたりですね
それから妊婦とかそういう
細胞分裂が盛んな人とか
そういう人には色んなところに障害が出る
これは国立がんセンターの
被曝によるその各臓器のことの
どのくらい癌みたいなものができるのかと
いうことを見ていただくと分かるんですが
それで決めようと思ったんですよ
一生懸命実験もしたんです
研究もしたんですね 正直に
ところが分からないということが
分かったわけですよ
それからもう一つはですね
やはり遺伝子にも損傷を与えるんですね
遺伝子だけに損傷を与えるわけじゃないんですが
遺伝子にも損傷を与えるわけですね
もちろんホメオパシーの原理がありますから
放射線のような毒物が少量当たれば
健康にいいという面もあるんですよね
だけど遺伝子にも同時に影響を及ぼすので
どのくらいまで子孫に影響があるかと
影響があるようにするかということで
現在の基準は一応
子ども孫ぐらいまでですね
ある程度安全であるという
領域にしようということで
一年一ミリシーベルトっていうのが
決まってる訳ですね
今皆さんほとんどの人が間違ってて
僕は虎ノ門ニュースで随分丁寧に解説したので
その後少し 有識者は少し
発言を控えているようですが
安全の範囲であるじゃないかとか
言ってる人がいっぱいいたんですが
それがいなくなったんですが
社会の容認限度という
名前を付けているんですね
ちょっと英語の訳ですから
色んな日本語もあるんですけれども
受忍限度って言ったりするんですね
我慢できる範囲
つまり必ず被爆っていうのはある程度
癌だとか臓器の疾患なんか起こるけれども
まあそれはメリットがあるから発電という
メリットがあるから我慢しようじゃないかと
その我慢の限度っていう
名前が付いてるんです
安全基準じゃないんですよ
安全は分からない
だけど我慢しようっていうんで
それが一年一ミリシーベルトなんですね
ですから一年一ミリシーベルト以上
浴びても大丈夫じゃないかとか
医療はもっと
被爆してんじゃないかとかって言うんですけど
一応一年一ミリシーベルト
それで法律としては
法律っていうか裁判の運用としてはですね
一応一年五ミリシーベルト以上を浴びて
白血病になった場合
白血病って癌なんですが
白血病になった場合は
労災に認定するという現実にも
そういうことが行われているわけですね
ですから受忍限度があるって
まあこのぐらいだったら
いいだろうっていうのがあると
これはね 別にそんなんじゃ原子力発電所
やっちゃいけないじゃないかってことないんですよ
それは自動車はそうですね
自動車っていうのはですね
一時は一年に一万人も死んだと
それから減って交通戦争が終わって
交通事故が減って
一年に五千人ぐらいになってもですね
事故で怪我する人は百万人ぐらいいたんですよ
今はかなり減りましたけどね
だけどちょっと今はインチキ交通事故死亡の
基準を使ってますのでね
ちょっとデータとしては
信頼できないんですよ
今は交通事故で亡くなっても
二十四時間以上経過した場合は
交通事故としないっていう
その変な規則がありましてね
それでその為に結局交通事故死を
見かけ上減らそうということですね
ですから交通事故で即死の場合は別ですけど
病院に担がれて死にそうな時は
医者にちょっと頼んで
延命措置をしてもらうとですね
その人は二十四時間生きてれば
交通事故死にならないということで
警察の点数が上がるという
つまらないことが行われているので
ちょっと最近の交通事故死の統計は
あまり信用はできないんですよ
ずいぶん減ってるんでもうごく普通にですね
交通事故で亡くなった場合は
交通事故死にした方が
僕はいいと思いますけど
日本社会がそういう風になっちゃったんで
もうしょうがないですね
そこでそういう風になってはいるんですが
交通事故は交通事故で死ぬ人が五千人
今少し減ってますが
五千人程度いるのにもかかわらず
それから交通事故で負傷する人は
五十万人以上にいるにもかかわらず
自動車が走ってるんですよ
だから安全じゃなくてもやっていいんですよね
いやこれはもう僕がじゃないですよ
日本社会がそういう風に認めてる訳ですよ
完全なものしかやらないって
言うんじゃないんですよ
もう交通事故がありますからね
だから原子力も交通事故程度の被害以下って
いうことでやってるんで
その意味じゃ誠意があるんですよ
安全基準は決められない
つまりこれは安全ですかとか
今度の福島の被爆は安全ですかって聞かれたって
僕は安全ですと一切行ってないんですよ
一年一ミリシーベルト以下は
安全とも言ってません
それはみんながそれでしょうがないと
思ってる限度だっていうことを
一生懸命言ってるんですけど
どうもね ここもね
原子力推進の人はね
安全だ安全だって言ってます
だからそれね やっぱりね
自分の意見がどうであれ
やはり正しいことを社会に伝えて
社会がどう判断するかっていうのが
もし自分の意見と違えば
説得するのはいいですけどね
説得はいいけど
ちょっと嘘をつくっていうのは良くないですね
僕の嘘っていうのは
そういうのは嘘って言ってるんですよね
被爆には安全限界はありませんよ
だけど社会が交通事故と同じように
このくらいなら車売ってもいいですよと
自動車会社に言える
範囲がありますということですね
自動車会社は自動車会社に
それを隠そうとしてますけど
隠す必要ないんです
だって交通事故が
あることは明らかなんだから
だけど自動車は物凄く便利だから
もう自動車がなければ
物凄く多くの人が死にますからね
救急車も走れませんから
だからそういうバランスで決めてるんだってことを
まず基本を理解しないとですね
喧嘩の原因になりますから
そういうことですね

2022年3月24日

#武田邦彦 先生

2022/03/29

科学的哲学的論考  ▶原発講座(6)福島原発爆発のもう一つ  固有安全性は間違っていた? (武田邦彦先生)


本日の収穫(3499文字) 

我々日本人がですね
原子力発電所を安全だと思って
もちろんこう被爆するのは嫌ですからね
安全だと思って実施したのは
専門家がですね
政府とか専門家が原子力発電所は
固有安全性と多重防御で守っているので
大丈夫ですと
こういったことによるんですね
ですからそれは政府とか原子力関係者が
国民に対して約束したことなんですね
そのうちの固有安全性は
どうも間違ってた可能性があるんですが
私がここで間違ってた
可能性があるというのは
どうしてこう言い回しをしてるかって言うと
事故の後ですね
固有安全性が間違ってた可能性が高いんですが
それについてですね
私は原子力学会のフェローでもあり賞ももらって
ずっと原子力学会に参加してたんですが
事故が起こってですね 原子力の安全性に対して
疑問を社会に発した途端にですね
お呼びがかからなくなっちゃったんですよね
これはもう学問じゃありませんし
学会でもないんじゃないかと私は思うんですよ
恐らく原子力学会に所属する方で
非常に正しい方 誠実な方がおられますからね
その方はやっぱり
みんな固有安全性というものに
自分たちは間違ってたんじゃないかっていう
反省があるんじゃないかと思うんですね
科学者っていうのは反省を素直に認めて
間違いを認めないとですね
間違いがまた間違いを呼びます
固有安全性に関する疑問は
事故が起こってみるといっぱいあるんですね
一つはですね 温度が上がっていく時に
それで水が蒸発していってですね
それで減速材として役に立たなくなる時に
中性子の速度が
減速するものがなくなってしまいますので
核分裂が続かないと
これが軽水のいいところだと言ってたのがですね
これは私もちょっと
必ずしもぴたっと専門ではないんですが
一応計算してみますと
実は核分裂が継続しなくてもですね
単に崩壊熱 つまりですね
原子力発電をやってますとね
燃料の中に非常にこう原子核が
崩壊しやすいものがたまってくるんですね
その崩壊熱っていうんで
常にかなり温められてるわけですよ
だから核分裂の熱と
ウランが核分裂する時の熱と
核分裂してできたものですね
例えば皆さんがよく知ってるのは
ストロンチウム90とかセシウム137とか
その他いっぱいできるんですが
そういったものがこう更に
非常に不安定なんで分裂していくんですね
自分で分裂してきます それの熱
この発熱をちょっと私が計算してみるとですね
あれっと思ったのは
それだけで原子炉が
爆発する感じがするんですよね
ですから我々が今まで言ってた理屈ですね
温度が上がる軽水炉の場合
温度が上がると水が蒸発するので水の
減速効果が弱まって核分裂は継続しない
したがって軽水炉は
固有安全性を持っているといういう論理自体が
破綻してた可能性があるんですよ
水が蒸発して減速しなくなり
中性子の吸収断面積が小さくなって
次の核分裂は繋がらないと思われていたが
既にその時に炉の中にある
核分裂生成物から出る熱でですね
十分に原子炉を爆発させる可能性があると
言わなきゃいけなかったかなと
だから軽水炉は固有安全性を
持っていないとも言えるわけですね
まだ問題があってですね
実は温度が上がってきますね
鉄の融点は1700度くらいなので
1700度を超すとですね
鉄が解けていくわけですね
ですから1700度まで行ってはいけないわけですが
核分裂生成物だけで
1700度に行くような感じがするんですよ
そうするとですね
1700度以上行くようになると
水が直接熱で分解する可能性があるんですね
水が熱で分解するのは純粋な水ならですね
4000度ぐらいなりますと
水は自然に水素と酸素に分離するんですが
色んなものが入ってますとね
例えば水の熱分解によってですね
水素と酸素を作るっていう技術があるわけですが
これは水素エネルギーを作るという
技術の中にあるんですけれども
それをやるとですね そうすると850度とか
900度ぐらいで水が分解するんですね
ですからそれを850度としますと
何か原子炉の中に
色んな金属とか色んなものが入ってますから
それがですね 水の分解を
熱分解運動を下げている可能性があるわけですね
これについても必ずしも
今まで言わなかったわけです
そうすると水素と酸素がどんどん出ますので
今度は水素と酸素が出ると
水素爆発を起こしますね
ですからこれは核爆発ではないんですけど
水素爆発が起こるわけですね
今度の 今度っていうか
福島第一原発の爆発は一号機と
一号機は水素爆発のような感じがするんですが
煙も白いしですね
三号機はですね
爆発がかなり垂直に上部に行ってるので
それから色が非常にこう爆発の混合気が
茶色であるっていうのがあってですね
もしかすると一部
核分裂が含まれている可能性があり
実際に原子力関係者
海外の原子力関係者で
三号機は核爆発だと
言ってる人もいるんですね
四号機は三号機からの水素が
四号機の使用済み燃料プールに行って
そこで水素爆発を起こしたと
一応考えられているわけですが
いずれにしても固有安全性が保たれてない
元々保たれていない構造だったという
巨大な間違いがあったんじゃないかと
私は思うんですよ
それで多重防御というのはですね
現在でも守られてない可能性もありですよね
それから固有安全性が
元々存在しなかったっていうことになるとですね
これはもう政府と原子力関係者が
巨大な嘘をついていたってことになるんで
到底国民がですね
原子力発電所に賛成するはずがないんですよ
それでちょっと思いつくのはですね
2006年に私が
原子力安全委員会の専門委員だった時にですね
これまでの原子力発電所は
絶対安全というのをやめて
想定外の時は爆発すると
事故は起こるという風に変える提案があり
私それちょっとかなり
部分的には反対したんですが
その時にですね なぜ
2006年にそれが提案されたかって言うと
恐らくですね 私が分かるぐらいですから
原子力の核物理をやってる専門家はですね
軽水炉の固有安全性は 元々
間違ってるんだということが分かってたんじゃないか
それを政治的に抑えて
例のその想定外のことが起こったら
原子力発電所は
危険であるということになったんじゃないか
しかし固有安全性というものが
失われているということを
実績に失われているということが
分かっていたとしたら
それはやっぱり想定外じゃありませんよね
それからもう一つは今度のことでちょっとこれは
固有安全性に直接的には関係ないんですが
何らかの原因で水素が出た時に水素が
もちろん水素ですから
これは普通の爆発ですよね
工場爆発なんかと同じような水素による爆発
水素っていうのは物凄く爆発範囲が
広いっていうか低いんでですね
もう二パーセントもいきますと
空気中に二パーセントの水素が出ますと
それで爆発する可能性があるという
極めて危険なものなんですね
最近では環境問題で
水素がもてはやされていますが
水素はその燃えるのはクリーンなんですね
燃えるのはクリーンなんです
だから燃えれば酸素と結合して
水が出てくるだけですから
ですけれども水素には
大きな問題があって爆発範囲が広くて
ちょっと取り扱いを間違うと
爆破するっていうことと
それから水素脆性っていう問題があって
金属の容器に入れておきますとね
水素によって金属が脆化して
脆化するっていうのは
弱くなるっていうことなんですが
それでやられるっていうこともあるんですね
この固有安全性の問題は
このように非常に複雑なんですが
少なくとも日本には
二百四十万人の技術者がいてですね
二百四十万人のうちの一割ぐらい
少なくとも二十四万人ぐらいはですね
その専門家がきちっと固有安全性の
計算値を出せば理解できるんですよ
要するにこの世の中はですね
本当の専門家つまり核物理の専門家以外に
その周辺に私のようにですね
技術問題を正確に判断理解できる人が
数十万人いるっていうのが
日本社会の強みなんですよ
だからもしも本当の専門家ですね
核物理を計算している人たちが気が付いたら
それがオープンになるようなシステムが
なかったんじゃないか
これは固有安全性がなかったと
一応知っておいてですね
軽水炉現在日本で運転している軽水炉は
固有安全性が
なかったんだということに一応してですね
誠意ある態度としてはですよ
それでみんなで核物理の人がよく説明して
それで我々核物理の周りにいる技術者がですね
技術者とか科学者が理解をして
それでそれを日本社会に伝えると
そういうことをやらないとですね
原子力発電所は全部危険になります
つまり多重防御と固有安全性があるので
安全であると言ってた
安全とかそういうものはね
単純なことを言わなきゃ駄目なんですよ
なんか検査がどうとか検査システムとか
そういうのはその次に必要なことであって
まずは原理原則がですね 理解されて
本当でなければいけないということですね

2022年3月23日

#武田邦彦 先生

2022/03/28

科学的哲学的論考  ▶原発講座(5)福島原発爆発のもう一つ  多重防御と固有安全性 (武田邦彦先生)



本日の収穫(3495文字) 

科学的哲学的論考の原発講座の五番ですね
福島原子力発電所爆発の
もう一つの原因についてご説明をします
もう一つの原因非常に難しいのでですね
もう諦めて説明はあんまり
聞かなくてもいいかもしれませんが
名前はちゃんと
覚えておかなきゃいけない訳ですね
一つが多重防御でありまして
これはもう既に四番までにお話しましたが
一番典型的には電源ですね
原子力発電所ではウランがずっと
継続的に核分裂してますから
常にその水を取り除かなきゃいけないということで
水を循環させてですね
普通海水なんです 海水を循環させて
熱を取るということをやってるわけです
その海水を循環させるのにポンプを使う
ポンプを回すには電気を使うということで
福島の場合は東北電力から電気の送電を受けて
そしてそれでポンプを回してたわけですね
このポンプが第一ポンプなんですけど
これが地下にあったっていうことで
地下なんかに設置するっていうのは
浸水床下 今度床下浸水 津波ではなくて
床下浸水でポンプが止まっちゃったわけですね
海水なんか入ってくるわけですから
もちろん通電してですね
電気がショートして駄目なわけです
そのために第二電源は少し離れた
丘の上に置いておくっていうことだったけど
それはサボって サボってっていうか
コストを削減しようとして地下室に置いといた
第三電源は東北電力が今度電気
送電できなくなることがありますからね
その場合は今度はトラックの上に乗せた
ディーゼル発電機でっかいやつがあって
それでディーゼルでやると
しかしそれも駄目な時があるということで
最後の手段として
バッテリーを八時間分ぐらい用意しといて
それを使うということですけど
福島第一原発は 全部それが第一から第四まで
バッテリーは少しなんか
上の方に置いてたらしいんですが
いずれにしても使えなかった
地下室なんかに置いといたら
もちろん床下浸水でもやられちゃいますからね
っていうことで効かない だけど
多重防御の考え方は真面目にやってれば
つまり東京電力がサボらなければ
良かったわけですね
考え方は別に間違ってありませんでした
ただサボったから
事故になったっていうだけですね
もう一つはですね
固有安全性っていうのがあるんですね
原子力発電所のことを
ちょっと勉強した人は最初にですね
原子力発電の種類っていうのが出てきて
辟易とするわけですね
軽水炉 軽水炉でも加圧水型軽水炉とかですね
いっぱい出てきて黒鉛減速炉とかですね
純水炉とかですね
高速増殖炉とかトリウム炉とかですね
溶融塩炉とかもう山ほど出てきてですね
もう何が何だか分かんなくなっちゃうわけですね
日本は軽水炉一本でいってます
東日本の方が沸騰水型軽水炉というもので
西日本の方が
加圧水型軽水炉っていうものなんですけど
これはもうほとんど両方とも同じですね
それでここではその差は
あまりに小さいものなので割愛しますが
安全性で少し違うんですけど
今度の事故とあまり関係がないんで
割愛しますが これは何かっていうとですね
ウランっていうのは普通爆発させる
つまり核分裂させると広島の原爆みたいに
ドカーンと行くんですよ
このドカーンと行くやつをどうしたら
ゆるゆると核分裂させて
少しずつ熱を出させるということが
できるかっていうのが原子力発電所なんですね
爆弾っていうのは一発でボーンって行って
瞬間にボーンって行くんですが
原子力発電所はそうじゃないと
そうするとウランが一つ ウラン原子ですね
ウランの原子がなんかの起爆剤で分裂しますと
2.4個の簡単なんですよ
2.4個の中性子っていうのを出すんですね
中性子がこうぱーっと散っていくわけですよ
ぱーっと散っていった
2.4個の中性子が次のウランにぶつかると
そのウランに吸収されて
そして核が非常に不安定になって
そこが核分裂をするわけです
核が分裂するためには
核が不安定になんなきゃいけませんからね
不安定になって分裂する
それがどんどんどんどん続いて
瞬間的に行けば原子爆弾になり
ゆるゆると行けば
原子力発電所になるんですね
ということは原子力発電所は
どうしなきゃいけないかっていうと
2.4個出たものを2.4個
そのままぶつかると一が二になり
二が四になり四が八になるって
どんどんどんどんあっという間に
ものすごい熱が出るので
2.4個出たうち1.4個だけがぶつかって
あとの あ! 1個の中性子がぶつかって
1.4個はどっかなくなって
しまわなきゃいけないんですね
そのために水とホウ素っていうのを使うんですよ
水は普通の水ですね
これ冷却にも使ってるんですけど
水を使いますとね
これは核分裂を速める方で
中性子が水の中を通りますと
中性子のスピードが遅くなるんですね
ウランの核から出てくると
ピューっていうスピードで中性子が出るので
次のウランにぶつかっても
通過しちゃうんですよ
あまりに速過ぎて
それは遅くしなきゃならない
遅くすると
次のウランにぶつかった時に吸収してくれる
ところがそれだと今度は
2.4個を2個ぐらい吸収しちゃうんで
やっぱり爆発みたいになるので
そこにホウ素を差し込むとですね
今度はホウ素が
その中性子を吸収してくれるんですよ
そうするとその水とホウ素を
適当にコントロールしたらですね
ウランの核からものすごく出た
ものすごくスピードの速い中性子が水によって
スピードが遅くなって
それで次のウランにぶつかると
核分裂をさせるんですけど
それちょっと行き過ぎるとホウ素の棒を
少し差し込むとみんなそこに吸収されちゃう
それからホウ素の棒を出す 引き上げると
どんどん核分裂が増えるっていうことで
作業員がですね 熱の出方を見て
作業員っていうか運転員が
熱の出方を見てですね
ホウ素棒を出したり入れたりすれば
それは普通は
精密なコントロールをするんですけれども
そうしますとちょうど臨界つまり1.0が1.0のまま
ずっと続くっていう離れ業ができる
これは原子力発電所が実用された
原因なんですね 理由なんですよ
だからどうしても循環にも使うんですけど
水つまり軽水ですね
原子力では純水っていうですね
重水素と酸素の結合した
純水っていうのも結構多用するので
多く使うもんですから
それと区別するために
ただ水って言ったら分かりにくいんでね
軽水炉って言ってるんですね
軽水炉にも二つありますが
それは非常に差が少ないので そうしますとね
循環する水が減速しますから分裂が速まる
そうするとある今水が入ってて
通常に原子炉が動いている時に
温度が上がるとしますね
何かの事故が起こって
事故が起こる理由はとにかくとして
事故が起こって温度が上がるとしますね
温度が上がらなかったら爆発しませんからね
温度が上がる そうすると水が蒸発します
すると本来水というものが
中性子を減速してスピードを下げて
そして分裂を速めているのに
水がみんな蒸発してからからになっちゃうと
もう水が減速しませんから
速度遅くしませんからね
だから次ウランにぶつかっても通過してしまって
これは衝突断面積って
難しい言い方あるんですが
ぶつかってしまってですね
そして あ!通過してしまって
その爆発が起こらないわけですので
事故が起こって温度が上がる水が蒸発する
ホウ素はそのままそこにある
そうすると今までバランスが取れてて
一定の熱が出てたのが熱が出なくなる
つまりもう全部蒸気になって
水が吹き飛んでしまいますからね
ということで軽水炉というのは固有安全性
つまり自分自身で
何もしなくても事故を防げると
つまり循環水がなくなったら
温度が上がりますよね
温度が上がっても減速材の水が同時に
蒸気になっていなくなっちゃうので
冷却もできないけども中性子も減速しないので
爆弾にならないということで
これはいいですよね
だって例えば自動車でも衝突するっていうのは
衝突する寸前に
自動車のエンジンがバチっと止まって
ブレーキがばっとかかればですね
大丈夫なわけですね
つまり装置自身が安全性を持ってるっていうのが
固有っていうもんですね 固有安全性
それで日本政府なり専門家
我々原子力の関係者もですね
恥ずかしながら日本は原子力発電所の
安全性を十分にするために
ロシアのように黒煙減速炉なんか使わずに
軽水炉減速でやりますと
そうしますとロシアは
黒煙を使ってるからチェルノブイリ
黒鉛は炉が暖かくなっても別に溶けることもないし
蒸発することもないので
ああいうことになったけども
日本の原子力発電所は水ですから蒸発して
中性子がそのまま
速い速度で外に出ちゃうので
大丈夫ですと 爆発しませんと
これが固有安全性と言っておりました
これがもう一つは間違っておりました
これは次の時にご説明しますが
これは故意に間違ったのかっていう
可能性も実はあるんですが
それから本当にアホだったのかということは
今のところまだ明らかにはされておりません 

2022年3月22日

#武田邦彦 先生

2022/03/27

【炉端の話】地震の予知はできないが、被害を防ぐことはできる (武田邦彦先生)



本日の収穫(3999文字) 

昨日と言ってもですね
この記事がアップされる
記事のタイミングにもよりますが
宮城県沖で地震が起こりましたね
震度は六強ですよ
震度六強の地震で しかも宮城県という
非常に地震が多発する可能性のあるところで
予測はされてないんですよ
この地震が来るから
何とかしろというようなことを
ここ一か月ぐらい聞いた人は
ほとんどいないと思いますね
実際にも発表されておりません
実はね 地震というのは
原理的に予知できないんです
この原理的に予知できないものを予知できるように
言うっていうのはこれ一種の犯罪ですね
じゃあ原理的に予知できないっていうのは
私が言ってもですね
私物理学ですから全然専門なんですけど
地震学者っていうのはなんか
ポンコツって言ったら失礼ですけど
やっぱりお金に目がくらんでるんでしょうね
それほど頭が悪いとはちょっと考えられないんで
地震を予知すればお金が入る
研究費が入るってことで
地震が予知できそうなことを
言うんでしょうけど
地震予知できないのは原理をまずですね
これははっきりしてて
地震っていうのはある程度
地殻に歪みができたら
その歪みと地殻の中の傷の大きさでですね
バーンと割れるんですね
しかしその傷がものすごく詳細に分かってないと
何時割れるかっていうのは分からないです
ましてですね まあ三百年ぐらいたったら
危ないかもしれませんねってことは言えますけども
例えば地震の予知っていうのはですね
三百年後か明日か三百年後か
分からないっていうのは予知は意味がないんですよ
つまり予知をすることによって
普通の場合はですね
そこに旅行に行かないとか
家族が住んでたり自分が住んでたりしたら
今日は気を付けるとか
それからそういう少なくとも
どんなに少なくとも
ここ一か月以内に
起こるぐらいが分かんないとですね
できればここ三四日で起こるっていうんだったら
予知は意味がありますよ
しかし三百年の間に
一回起きるなんて言われてもですね
今三十年とかいうのを言っても
三十年でもちょっとどうかと思うんですよ
そのね ある特定特別な人にとっては
三十年に一遍地震が起こるんだったら
ちょっとあそこら辺に住むのは
やめようかってこんなことあるけども
元々そこに住んでる人とかですね
そこに仕事を持ってる人は
そんなの役に立たないんですよ
極端なこと言えばですね
今アメリカのヨセミテでですね
巨大噴火が一応予想されているんですよ
どういう予想かって言うとですね
七千年以内に一回大きな噴火が起こるって
言われてるんですよ 七千年以内ですよ
そうすると七千年以内に一回
巨大噴火が起こるっていうのは
学問としては別に問題ありません
しかし社会に知らしめるという意味ではですね
何の意味もないですね
七千年以内に一回ですからね
そしたらそのヨセミテに
例えば観光業をやってる人が
それじゃ七千年に一回起こるんだったら
俺はヨセミテの観光業
やめようかとかってことになりませんからね
それからまして旅行者が
ヨセミテに旅行に行こうっていうのを
七千年に一遍どうも噴火があるらしいから
俺は行かないなっていうことも考えられない訳ですよ
だから地震はその原理からいって
いわゆる地震の予知っていうのはできない訳です
これをもう騙し騙してですね
国は何をやってきたかったっていったら
地震の予知ができると言って
税金をその研究者に払ったり
自治体の土木工事屋に
土木をやってもらったりして
そこに自分が天下るという
その手段としてずっと使ってきたわけですね
しかし私はね 地震が予知できないことが
分かっているわけですから
一応その実績も私計算してみたんですね
国が言う地震が来るというのと
実際に来たという地震の間の関係を調べたら
五億分の一しか
当たらないってことが分かったんですよ
つまりこれは当たらないっていうことなんです
もう全然予知はできないって
これが実績ですね
だから原理的にも実績にも
地震は予知できないんですよ
それはそうなんですが
私はそれほど理想論でも非難をして
気持ちをすっきりさせるタイプでもなくて
現実に地震を防ぐ
地震の被害を防ぐためには
どうしたらいいかっていうことも
同時に言ってるんですよね
それで自分の家もそれで実施してるんです
自分自身もそうしてるんですね
どうかって言うとですね
地震はね いつ来るかっていう
英語で言ったら when ですね
いつ いつっていうのは分からないんですよ
どのくらいっていうのは分かるんですよ
どのくらいの規模だっていうのは
やや分かるんですね
かなり精度がよく分かるんですね
例えば私 名古屋の中区に住んで
東京にもあるんですが
名古屋ですと中区に住んでるんですよ
これはね 最大震度が
五もしくは五.五を超えることは
まず日本の地盤の感じからいってないんですよ
それからプレートの地震もですね
名古屋の場合はかなり遠くになるんですね
東海地震とか四国沖地震に比べて
相当遠く距離が遠くなるんで
それほど地震は大きくならないんですよ
あとは内陸型の地震の震源が
少し長野県側と鈴鹿山脈側にありますが
これも大した大規模じゃないんですよ
ということはどういうことかって言うと
名古屋に住んでる限り
震度が五から五.五を防げばですね
まず家の中にまずいた時は
ほとんど被害を受けない
その五から五.五で被害を受けるって
もうもっぱら決まってましてね
それは高いところに
重たいものを置いておくとかですね
高い背の高いタンスが倒れ込んでくるとか
こういうことを防げばいいんですね
震度が六以上ぐらいになりますとね大きな家具が
ぐっと横にずれてくることがあるんですけど
震度が五とか五.五だとそういうことありません
ですから名古屋に住む人は重たいものを
上の方においとかなくていいとか
それから高い背の高いタンスの横で寝ないとか
そういうことをすれば被害は防げるんですよ
もうちょっと大きくなりますとね
ドアが開かなくなるっていうことがあるわけですね
そういう地方つまり
六以上の震度が予想されるところは
必ず逃げる窓とか扉をですね
よく分かっててそれが開かなくなった時どうするか
男がいればね
ドーンとぶつかれば大体開きますが
女性だけの場合どういう力で開けるかってのを
よく考えていく必要があるっていうことですね
だから被害を防ぐことはできるんです
ただ外にいる時にね
外にいる時に被害に遭わないようにするには
あまりガラスのね ガラス張りのビルの近くを
しょっちゅう歩かないっていうことですよ
これしょっちゅうっていうのは
どういうことかっていうとですね
毎日歩いていれば
一年に三百六十五往復すれば
七百回ぐらいの危険があるんですが
たまに通るぐらいだったら一回二回ですから
確率がぐっと減るんですね
だからそのやや地震に弱そうな今で言えば
僕はビルよりかは
ガラスの貼ってあるビルですね あれは危険です
一応ね 大丈夫になってますけど
法律的には あれはまだね
そのガラスがガーンと落ちないかどうかって
よく分かってないんですよ
だからここは気を付けなきゃいけない
それから一番危ないのは
新幹線の箱根を通過するところぐらいですね
その新幹線乗って箱根を通過する時は
南無三っていって起こらないでねって
願うぐらいでいいんじゃないかと思うんですね
ですから特定のところが危ないですから
ですからその地震を予知することは
まずできないっていうことと
地震は地域によって違いますから
そのハザードマップを本当はきちんと見て
それをきちっとと
自治体とか政府は言うべきであって
被害を防ぐ方法を言うべきであってですね
地震の予知なんてできないことを
マスコミとかそういうとこは
言っちゃいけないんですよ
それで防ぎ方を今度しっかりやる
そしたらまず地震の被害はすごく少なくなります
まずそうしておいて
あと地震の予知はこれから
千年から二千年たてば
できるようになるかもしれませんが
そんな風な時間を待ってられませんからね
これはっきりしなきゃいけないと思いますね
今度の宮城の地震もそうですし それから時々
震度六ぐらいの地震が起きるんですよね
私 実は原子力発電所
完全な原子力発電所なら
賛成って言ってるんですけど その理由は
日本は震度六以上の地震が時々来る
震度六以上の地震が来たところで運転してた
原発で故障とか事故が起こらなかった原発は
今のところゼロなんですよ
つまりゼロっていうことは原子力発電所は
震度六以上では耐えられないっていうことなので
私は原子力発電所は少し早いんじゃないか
もう少し耐震設計をきちっとして
それができるようになったら
原子力発電所を起こした方がいいんじゃないかと
言ってるんで 反原発じゃないんですけど
もうそれも この頃嘘八百言いますからね
ここで繰り返すのは
地震は絶対予知できません
今度例えばね 地震が予知できたとしても
それはね 五十回に一回ぐらいですから
五十回に一回の予知がもしできたからといって
それを信じて生活することはできませんので
自分の住んでいるとか職場とか
よく行くところの最大震度をよく調べて
最大震度に応じるようにやるべきですね
それから津波はね 2011年の東日本大震災の
印象が非常に深いので
みんな津波心配していますが 津波はですね
まず第一に地震とは頻度が違います
津波が起こるっていっても
大体は一メートル以下の津波で
東北大震災みたいに
みんなが犠牲になるような津波は来ません
みんなが犠牲になるような津波は
百年に一回かぐらいの頻度なんですが
それはですね
普段からちょっと気使ってればいいんですね
自分は低いところに住んでるのか
低いところで仕事してるのか
じゃあなんか津波が来たら
高台に上がる余地があるのかどうか
これもですね 何時津波が来るかよりか
どうしたら津波の被害を
防ぐことができるかの方に注目したらですね
我々もしくは我々の家族の危険は
大きく減少すると思います
これを本当は専門家っていうのは
これを言うべきなんですよ
我々はですね 地殻の破壊についての
知識があるんですからね
専門家はあるんですよ
物理を知ってる人間は必ず分かる訳ですから
是非そうしてほしいと思います 

2022年3月21日

#武田邦彦 先生

米ロのどちらを信じるか (武田邦彦先生)

本日の収穫(1181文字) では続いては 視聴者の方からの質問ということです 米ロのどちらを信じるかということです 前回はロシアとウクライナについてのご解説 とても勉強になりました 今回はロシアに若干の利があると言いますが 日本もロシアに多少恩を売っておく方が 良いのかもというの...