本日の収穫(3610文字)
科学的哲学的論考の内 原発講座の四番ですね
福島原発爆発の深層の四
爆発原因を隠した理由ですね
爆発原因は実は
先回お話したように浸水だったわけですね
津波でもなく何でもなかったわけですね
単に浸水でした
その浸水した水が入ってきたのは
堤防を越えた水ではなくて
堤防を越えても越えなくても
水が流れてくるわけですね
緩い津波が来てもですね
まずは堤防のないところ
原子力発電所の北側と南側はですね
堤防が何もありませんから
そこから水が侵入してきます
皆さんあの当時のテレビの映像なんか
よく見たと思うんですけれども
津波というのは津波の勢いで家が流される場合と
そういうのもあるんですが
津波がずーっと来ますと
そこら辺一帯が水浸しになりますね
ですから浸水するわけですよ
床下浸水するわけです
家が壊れなくても床下浸水するわけですね
堤防幾ら高くてしも堤防っていうのは
必ず船が出入りする場所がありますから
その意味では堤防を作っても
全然意味がないわけですね
それで浸水によってなんで爆発したか
浸水なんてのは普通あり得るわけですよ
例えば大雨が降っても浸水します
浸水したら原子力発電所は
爆発するっていう風になってたんですよね
浸水したら爆発する いやそんなことって
あるのっていうことなんですが
実際は福島原子力第一発電所はですね
浸水したら爆発するようになってたわけですね
ということはどういうことかって言うと
第一電源は地下にあり
大体発電機を地下に置いておくっていうのは
とか変電所を地下に置いておくってのは
極めて危ないわけですね
電気ですから
大体上の方に置くわけですね
家でも配電盤なんていうのはみんな上
電線も大体天井裏にあってですね
床下にその配線をするっていうことも
ないじゃないんですけど
それは非常に大変なんですね
それで原子力発電所っていうのは
電気の人がいっぱいいるのに
アホだったかって言うとですね
多分安くしようと思ったんでしょうね
それから外にあるべき第二電源が地下にあり
同じところにあり
それからディーゼル発電機はトラックに乗って
遠くにいなきゃいけないのが地下にあり
それからバッテリーは
どこにあったかよく分かんないんですけど
バッテリーを繋ぐコンセントに
繋げられなかったっていう
ものすごく貧弱な状態だったわけですね
それは全部隠しました
つまり浸水しただけで爆発するっていうとですね
これはもう原子力発電所が
安全だったなんてことは全く言えないわけですね
私が原子力安全委員の専門委員だったわけですから
それで原子力安全委員の専門委員にある
会議室の隣には原子力資料室があってですね
各原子力発電所の図面が全部あったんですよ
だから公開されてたんですね
ですから私がですね
時間があってこんなこと言い訳になりませんが
時間があって図面を見たらですね
なんと浸水したら爆発する原子力発電所
だっていうことが分かったはずなんですよ
これは事故の後にね
女川原子力発電所 仙台の発電所は
高いところにできてるんですね
海岸淵なんですけど
ちょっと高台にあるんですよ
それでこれ爆発を逃れたと
だから原子力発電所は安全であるっていう風に
言ってる人がいたんですが
結局浸水なんですね 浸水
だから多重防御 原子力発電所はですね
固有安全性と多重防御でできている
だから日本は軽水炉をやるんだと
これは後々少しずつお話しますが
軽水炉っていうのは普通の水ですね
水道の水みたいなもので原子炉を冷やす
これが一番いいんだと
純水というのを使うこともあるんですが
軽水を使うと 軽水炉であって
それで軽水で冷却するものであるので
固有安全性があると
核爆発に対して固有安全性があると
それから冷やす方ですね
これは四重もの防御をしてると
これ全部固有安全性も噓でした
後でちょっと説明しますが
多重防御も嘘でした
この多重防御が意図的な嘘なのか
それとも福島第一原子力発電所を
チェックしてた学者役人
それから東京電力全てがアホだったのか
浸水だけで爆発したんですよ
それで浸水だけで爆発しました
しかしこの浸水だけで爆発したってことになると
日本の五十四基だったかな
原子力発電所は全部今でも
浸水したら爆発するってことになります
それは第一電源から第四電源までを
多重防御してなかったっていうことですね
それで今再開しようとしている原子力発電所が
その多重防御になっているかということも
公表されておりません
何か非常に難しい理屈をこねてですね
だから結局本当の爆発原因を隠したので
それでとにかく堤防を高くすれば守れると
津波の動力って言いますかね
運動量でよって原子力発電所がやられたんだと
いう風に言ってるんですが
上から見たら分かるんですけど
原子力発電所の原子炉建屋っていうのは
それほど頑丈なものじゃないんですが
全然どの原子力建屋も壊れておりません
原子力建家が壊れないどころか
その海岸線の前にある
タービン建屋っていうのがあるんですけど
それは割合と簡単なものなんですが
それも全然 津波でやられておりません
つまり津波によって
福島第一原子力発電所が破壊されたんじゃなくて
単なる浸水でショートして地下にある
地下に発電所を置くっていうのは
本当アホっていう感じなんですが
地下にしかも四つ置いてたっていう
国民に対する
もう著しい背信行為をしてたわけですね
しかしこれを全部隠しました
多分総力で隠したでしょうね
民主党がだから
政権を取ってた民主党が
もう総力を挙げて
この原因を隠したと思うんですね
だから民主党っていうのは
左翼のような顔をしてるけど全然左翼じゃないし
国民の命を守ろうとか
原子力発電所の安全性を素直に国民に示して
実は我々は浸水したら爆発するという
非常に不安全な原子力発電所を
やってたんだっていうことを
隠しに隠したわけですから
何のために我々は自民党から
民主党に政権を変えたのかって
もう全然分からない結果になりましたね
それで津波でやられたっていうことにすると
今度は津波の高さが想定外だったって
いうのを使えるんですね まず一つは想定外
浸水じゃいくらなんでも 浸水ぐらいする
可能性があるだろうって言われちゃうんで
津波にしたわけですよ
それは千年に一遍の
大きな地震だったから津波が起こったんだ
その津波が防潮堤を越えたんだ
だから他の発電所も
堤防を高くするんだって言って
浜岡原子力発電所なんかも
高い堤防にしたんですけれども
それは他のところもですよ
日本海側の原子力発電所も
全部堤防高くしたので
堤防高くしても浸水は浸水しますからね
関係ないんですけども
マスコミもこれには加担したでしょうね
一生懸命マスコミも
一緒になって隠したと私は思います
日本全体が隠しましたからね
被曝量も隠しましたが爆発原因も隠しました
この爆発原因を隠した理由は
何かっていったら 一つに
あまりにばからしい危険な状態を放置していた
しかも全部僕らに嘘をついてたんですね
僕も調べるべきだったんですよ
だけど嘘ついてると
ちょっと思わなかったんですね
だって経産省にちゃんと保安員っていうのが
原子力保安員っていうのがあって
そこで役人がチェックしてて
実施してるのが東京電力ですからね
まさか原子力発電所が
安全であるっていう二つの理由ですね
固有安全性と多重防御の
一つも多重防御をしてなかったなんてね
考えてもなかったんで
ちょっと言い訳になるかどうか分かりません
それはこれをお聞きになってる人が
考えればいいんですが
僕はやらなかったんですよ 実は
東京電力と保安員が嘘をついているということを
前提に調べるということはやらなかったんですよ
だから現在再開している原子力発電所はですね
全部 噓の状態だと考えられますっていうのは
オープンになってないから
分かんないんですね 今度は
私も原子力の安全委員を
もう解任されておりますので
調べに行くこともできないか
できるかもしれません
特別な許可を得れば
できると思いますけれども
そういう状態になっている
だから現在ですね 原子力発電所は安全だから
日本のエネルギーっていうのを
やった方がいいっていう人も居られますが
その人たちは実は福島の県の苦しんだ人たちと
同じ目にあってもいいと言ってるんです
だって改善されてない
だって科学っていうのはですね
正しい原因を解析して 正しい原因に沿って
正しい対策を取らないと駄目なんですよ
御巣鷹村に日航機が墜落した
五百人以上がなくなった
それは後部の尾翼の溶接を失敗したからだと
正しく分かれば その後溶接修理の時には
どういう風なことを注意しなきゃならないかって
また墜落することを防ぐことができますが
そこに政治的な判断が入って 政治ってのは
そんな悪いことするわけじゃないんですけど
日本の政治は悪いことばっかしてるんで
参政党が通ったら違いますけどね
まあそういうことで 今現在は日本の原発は
非常に危ない状態にあるということなんです
しかもこれはちょっと原子力反対運動の人に
ちょっと言い過ぎかもしれませんが
原子力反対運動の人も
現在はそれを言っておりません
それがやっぱり問題なんですね
反対運動の問題です
2022年3月19日
#武田邦彦 先生